研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

感想

【川崎IMAXレーザー】クイーン1曲も聞いたことないゆとりが『ボヘミアン・ラプソディ』を見た結果

☆序文 クイーンのことをなにもしらないゆとり世代でさえ楽しめたということで、コンテクスト関係なく、単独の映画としてすばらしいです。単にすごくおもしろい。バンドの伝記モノということで当然ですが音楽がふんだんに使用されており、どれもが大ヒット曲…

『クワイエット・プレイス』は“ドント・ブリーズ 全国編”だ【ネタバレ感想】

音に反応して襲ってくるエイリアンによって地球は壊滅。荒廃した地球で残された人類は細々と暮らしていた……絶対に音を立てないようにして。 4.0点 正直ナメてかかってました。途中から最後までずっと口を手で押さえながら観てた。すごーくハラハラした。 こ…

『東京カレンダー』による街の過剰な物語化について

※2018年9月発売号 『東京カレンダー』は2001年から刊行されているグルメ雑誌だが、昨年4月から編集長が変わったのか、コンセプトを大きく転換している。 表紙を見れば明らかだ。 2017年2月発売号と3月発売号。 これが4月から次のようになる。 4月発売号と5月…

Baby Driver ;アルバム紹介

2017年8月19日、激震が走った。 新宿バルト9で何の気なしにレイトショーのチケットを予約した僕は、ゼロに等しい期待を背負って硬めのシートに腰かけた。土曜の夜。誰にも邪魔されないプライム・ナイト。どれだけ夜ふかししても、どれだけ深酒をしても、誰に…

おすすめスムースジャズ;Brian Culbertson

はじめてスムースジャズを聞いたのは高校生の頃だったと思う。本校舎と隔絶された汚い部室棟の一角で我々は先輩がiPod touchで流すBrian culbertsonを聴いていた。 Live From the Inside (W/Dvd) アーティスト: Brian Culbertson 出版社/メーカー: Grp Recor…

8月に読んだ本

夏休みが終わり、明日から仕事だ。ということで寝る前に駆け足で振り返りたい。 横浜駅SF (カドカワBOOKS) 作者: 柞刈湯葉,田中達之 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2016/12/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (9件) を見る 横浜駅はいつもいつ…

リベラルが金持ちなのには理由がある――「朝日ぎらい」が告げる言ってはいけないリベラルの真実

あるいは、なぜセレブはリベラル化するのか。 6月に朝日新聞出版から発売された橘玲の「朝日ぎらい」は、「私たち、そんなに嫌われてますか?」というクソダサいキャッチコピーの帯に巻かれて登場した。そんなに朝日ぎらいでもないが強いて朝日が好きという…

残業の終わりに

土曜日に青のワイシャツを買った。同じサイズのものを2枚だ。僕は基本的にワイシャツは白のものしか着ない。それは自分の選択肢を減らし認知資源の消耗を防ぐというきわめて功利主義的な思想に依拠した見解だった。そもそもスーツや制服というものは、毎朝…

ベイビードライバー

特に書くことはないんだが、いやあるといえばあるというかむしろ書くことはどっさりあるんだが、平日にブログを書くというのは結構大変だ。仕事がだるい。 最近はネットで公開のブログを書くのよりも、フィルマークスという映画好きのSNS(id:1iefez)で映画…

阿部和重「無情の世界」

久しぶりに阿部和重を読んだ。新潮文庫の「無常の世界」には3つの短編が収められているのだが、キンドルではその3作がバラ売りされており、出版社:コルクと表示されていた。コルクはそういう事業もやっているのか、と感心する。そういえば短編集をバラ売り…

最近読んだSFについて

最近SFの教養を身に着けたいと思い、基本的なところから読み始めている。まずは「幼年期の終わり」。科学技術が臨界点まで発達し、人間がやること全部やった世界で、人間は何のために生きるのか?と問いかける作品。「やること全部やった」というのは、つま…

偽中国語で偽中国語について考えてみる 使用偽中国語、思考於偽中国語

〈偽中国語〉 我昨日観劇画sf原作映画『BLAME!』。主要物語設定、人間統制下離脱機械的都市敵対人間。主人公男性「霧亥」、眼球搭載電子的AR投影機器。霧亥戦闘中、透視機器、視認敵情報。物語中鍵物品、「電網端末遺伝子」。霧亥常確認、敵所持非所持、電脳…

最近読んだ本の感想5冊

「2日に1回ぐらいのペースで本の感想を書いていく。」などという宣言から5日が経過した。それがこのざまである。 本は読んでいるんだが、書くのがめんどくさい。果てしなくやる気がない。頭のなかで本についてあれこれ考えたりシャワーを浴びている時に独…

感想『日本近代文学の起源』『趣都の誕生』

今日から2日に1回ぐらいのペースで、本の感想を書いていく。なぜか。理由は2つある。 ひとつは、読書のモチベを上げるためだ。いま、僕はかつてないほどに危機感をもっている。それは、本を読まねばならないという危機感だ。前から僕には教養コンプレック…

『読んでいない本について堂々と語る方法』の感想

ピエール・バイヤールの主張は明快だ。「本は通読する必要はない。むしろ場合によっては、読まないほうがいいこともある」 読んでいない本について堂々と語る方法 (ちくま学芸文庫) 作者: ピエールバイヤール,Pierre Bayard,大浦康介 出版社/メーカー: 筑摩…

『何者』から考えた創作者のあるべき姿

『何者』を観ました。 僕は2年ぐらい前に原作を読んだのですが、当時は結構な衝撃を受け、就職活動というのはなんとたいへんなイベントなのだろうと思いました。 あれから2年経ち、実際に就活を経験した自分がどのように『何者』を読むのか興味があり、観に…

『君の名は。』感想

まあ前提として僕たちは新海誠が最高の作家だということを知っているわけです。 だから今回の鑑賞もその「答え合わせ」に過ぎませんでした。 「やっぱり新海監督は最高だぜ!」と。 したがって特に語ることはないのかもしれません。 新海監督の作品といえば…

『シン・ゴジラ』の感想

まず前提 ・庵野秀明の作品はエヴァのTV版と旧劇場版のみ鑑賞済み ・ゴジラは「ファイナルウォーズ」と「GODZILLA」のみ鑑賞済み この感想を書く意義 ・『シン・ゴジラ』を観に行っていろいろ感じたものの、一人で観に行ったためにそれを誰とも共有できずに…

『世界から猫が消えたなら』を観て思ったこと

結論から言うと良かったです。 この映画、一見「失ってはじめて大切なものに気づいた」系のテーマに感じます。主人公は電話、映画、時計を世界から消し、その代わりに寿命を一日延長していきます。そのなかで、電話や映画によって支えられていた人間関係の大…

感想:岡本一郎『グーグルに勝つ広告モデル』(光文社新書、2008)

昨日代々木を深夜徘徊している途中に寄ったブックオフで発見し、衝動買いしました。 グーグルに勝つ広告モデル?マスメディアは必要か? (光文社新書) 作者: 岡本一郎 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2014/03/14 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを…

リップヴァンウィンクルの就活

今日は某企業の説明会でした。あまり興味はないところなのですが、志望業界だったので行ってきました。会場に入って、机の資料をパラパラとめくっている時、何かの違和感をもつ。なんというか……右翼? 学生のうちに読んでおくべき本とか言っておくべき場所と…

2月1日映画サービスデーにおすすめの映画3選『ザ・ウォーク』『ブリッジ・オブ・スパイ』『白鯨との戦い』

ぼくも前は週1とかで映画を見に行っていたのですが、最近なんか行く気にならなくて言ってませんでした。べつにお金がないとか時間がないとかでもないんですが……本読んだりしてる方が楽しかったっていう感じですね。でもそんな時に「このままじゃいかん」と思…

映画『orange』ー別の世界の可能性を祝福することについてー

12月12日土曜日、重い身体をえいやっと起こしたのは、もう11時すぎだった。前日金曜日にいつものサークルの飲みがあったのだが、その日は妙に議論がヒートアップし、新宿の喫茶店で夜を明かしたのだった。そういうわけで、朝からこんな時間まで寝てい…

『バケモノの子』はやる気があったのか

ここ3ヶ月ほどインターンやバイトや大学の課題で忙しく、そのうえ人間関係のことで頭のなかも忙しく、趣味(にしようとしていた)映画鑑賞もまったくできておらず精神的につらかったのですが、最近土曜日のバイトのシフトをなくし、おそらく2年ぐらいぶりに…

初めてアイドルとチェキ撮影をしたら神だった件

【前回のあらすじ】 その日のノリでプティパ(の篠崎こころ目当て)という地下アイドルのライブに参戦した僕はささやかな熱狂と心地良い疲労感につつまれて秋葉原を後にし、帰路途中の神田明神にて「良い体験をしたなあ」と独りごちるのだった。 【つづき】…

朝井リョウ『何者』と就活に向き合う態度について+

小説家の朝井リョウ氏によるツイッターの安全な使い方解説書直木賞受賞作品『何者』を読みました。簡単にいえば就活の話なのですが、僕もいつのまにか大学3年生になってしまっており、そろそろ就活のことも意識してそれ関係の書籍を読もうと思い、読みました…

インセプションと幼少期の思い出

数年ぶりに見ました。いつ見たのかは覚えていません。Evernoteに感想を書いていたと思っていたんですが、検索しても出てきませんでした。本当にいつ見たのだろう。高校の時だと思うんだけど。大学入ってからかな? いずれにせよ僕はコマがよろよろと回り続け…

「花とアリス」と高校生の感性

最近高校生の物語を見たりするととにかく懐かしさを覚える。女子高生を外で見かけた時もそうだ。僕の高校は私服校だったから一般的に想像される高校の姿とはちょっと違うけど、しかし卒業した今になって思い返してみるとやっぱり高校は高校である。服装とか…

『父親たちの星条旗』 現実を代補するCG

『父親たちの星条旗』を見ました。硫黄島に星条旗を立てた6人の海軍兵を軍事国債キャンペーンのために称揚したアメリカの欺瞞が描かれていて面白かったです。硫黄島上陸シーンは『プライベートライアン』のノルマンディー上陸シーンに引けをとらない迫力で…

クロスチャンネルと美少女ゲームの構造みたいなもの

CROSS†CHANNELのPSP版をプレイしました。 BEST HIT セレクション CROSS†CHANNEL ~To all people~ 出版社/メーカー: サイバーフロント 発売日: 2011/07/28 メディア: Video Game クリック: 13回 この商品を含むブログ (4件) を見る ループものの作品として高…