昨日新海監督のツイッターで、本厚木で言の葉の庭が上映されているという情報を得たので、ロマンスカーに乗って行ってきました。
本厚木って初めて行ったんですけど、なんか池袋みたいな感じでした。言葉に出来ないんですけど、なんか池袋西口っぽい雰囲気が……個人的な感覚で、ありました。
「amyuあつぎ」というモールの入口には、言の葉の庭のポスターがちょこんと掲示されていました。
スクリーンはかなりちっちゃくて、座席も少ないミニシアターでした。お客さんもあんまりいなかったです。上映前にスタッフさんが前に出てアナウンスをしました。
「ただいまより言の葉の庭を上映します。帰りに雨が降ってたらいいなあ、と思うような作品ですw。ごゆっくりご鑑賞ください」
で、まばらな拍手。ちなみに帰りに雨は降っておらず、空がよく見える晴れた夜でした。
ところで言の葉の庭は当初は劇場公開じゃなくネット配信だけする予定だった、という話を読んだんですが、やっぱりそれはこの作品が劇場向けじゃないからだと僕は思います。実際、スクリーンで観た言の葉の庭はやっぱり素敵だったんですけどね。例えば、豪雨のシーンの環境音とか、主題歌のRainとかは、劇場のスピーカーで聴くと、家のヘッドフォンとはかなり音場の違いが分かりました。
言の葉の庭は背景の描き込みがものすごく緻密なんです。それこそ、一回流して観ただけじゃ気づかないようなところまで、実写に迫る勢いで描写している。それでいて、実写とは違う美しさを表現することに成功している。劇場で一回見るだけでは、そういうところに気づくことができない。だから僕は、2回目3回目はブルーレイで一時停止したり巻き戻したりしながら見る、というのが一番この作品に合っているんじゃないかな、と思います。
実はひそかに楽しみにしていたのが、同時上映の「誰かのまなざし」です。これは劇場では上映されるのにブルーレイには収録されていないという作品で、言の葉の庭より先に上映されました。多分6分ぐらいだったと思います。
未来が舞台のホームドラマみたいな感じでした。ところどころ、言の葉の庭と重なるようなシーンがあって(上司に叱られるところ、千駄ヶ谷駅の近くの坂道など)、やはり美しい背景美術が凝縮されていました。
父親と娘のすれちがいを、飼い猫の独白で綴っていく……新海監督らしいお話だったと思います。ストーリーに関しては、こっちのほうが好きという人もいるかもしれませんね。劇場公開限定にする理由がさっぱりわかりませんw
ネットでは定価の2倍以上するパンフレットがもしかして販売されているのでは、とか思ってましたけどそんなことはなく、無料配布されていたポスターだけ貰って帰りました。
言の葉の庭と誰かのまなざしを合わせて料金は800円、往復の交通費は2000円ぐらいで、なんともいえないコストでしたが、僕はなんともいえない満足感に満たされています。なんだかんだいって、大画面であのすばらしい雨と音楽を鑑賞できたのは、嬉しかったのでしょう、と自己分析して、筆を置くことにします。