やっとプレイすることが出来ました、音に聞く名作。
経緯から話すと、まず数年前、高2の秋にシュタインズゲートをPSPでプレイ(ちょうどその年の春から夏にかけてアニメが放送されていた)。ノベルゲームのすばらしさに開眼するも、受験のためゲームを断念。このときネットで「シュタゲが好きならEver17おすすめ」という評判を聞く。大学入学後は時間を持て余し、とくになにもせずアホの極みを体現。そしてこないだ、「ゲーム的リアリズムの誕生」という本を読んでいる時にEver17という文字を発見。これは読み進める前にプレイしておかねば……ということで、近所のブコフでPSP移植版を購入。3000円ぐらいしました。
シュタゲをやったことがある人なら、ああいう感じを想像してもらえればいいと思います。あんまりくわしいことは書きませんけど、結構終盤にかけて頭を使います。ただの恋愛ゲームという認識はしないでください。いや、恋愛要素ももちろんあるんですが、そこは本質ではないですね(断言)
舞台は水中テーマパーク・LeMU(レミュウ)。施設内に周囲の水圧と同等の気圧を人工的に加えて圧潰を防ぐという、政府はなぜこんな危険な建物の建造を許可した状態なんですが……
プレイヤーは冒頭、「俺は……」「僕は……」の選択肢で、二人の主人公のどちらかを選択することになります。この二人によって攻略できる女の子が変わります。両方に二人ずつ女の子が設定されています。
ここで謎なのが、「俺」「僕」の2つの視点によって、女の子の登場人物が1人違っている、という点です。同じ舞台を別のキャラクターで見ているだけなのに、なんで……? この謎に、プレイヤーは頭を抱えることになります。そしてその合計4人のエピソードを体験した後、5人目の女の子のルートが開放されます。
この5人目の女の子のルートというのが、Ever17のすべての謎を解き明かす鍵になっています。怒涛の伏線回収、トリック、システムには本当に圧巻されるしかありません。
ネットではその最後のルートに辿り着くまでの中だるみがきつい、と散々言われていますが、僕はそうでもなかったかな、と思いました。PSP版は寝っ転がりながらでもできますし、強制スキップやクイックロードも便利だし、未読箇所に突入すると左上にupdateマークがつくので、2周目以降はわりとさくさく進められました。ただその所為で没入感が失われてしまうことは否定できません。
僕はところどころ、気に入ったシーン(CGのところなど)や伏線が仕掛けられていると思しきシーンではスキップせずにボイスを聞いてました。
CGはとても綺麗で、10年以上前に作られたゲームだとはとても思えません。ただし立ち絵はなんか……手抜き感ありましたね。シュタゲに比べるとどうしても……
と、ネタバレ無しで書けることはこのぐらいです。あとは抽象的な感想ばかりになってしまいます。
いやーほんとにすごかった。ノベルゲームの手法を用いたゲームとしては、ひとつの完成形だと思います。素晴らしかった。衝撃でした。シュタゲをやったのならEver17もやるべきだと、本気でそう思います。そして僕はなぜこのゲームを高校の時にやっておかなかったんだ、と思ったりもしました。
最後まで考えて考えて考えぬいて……その先にEver17がぼくたちに提示する世界は、なんなのか?
攻略サイトを見るときはくれぐれも真相をチラ見してしまわないように、お気をつけ下さい。
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