研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

独りで観光に行くということ

結論から言うと一人で観光旅行するのは辛いってことです。日帰りでちょっと遠出するのとは何かが違う。

夏休みは出来る範囲でいろんなことをやりましたが、記憶に残っているのは9月上旬の一人観光旅行です。僕は「ひぐらしのなく頃に」というノベルゲームを夏休み前からやっていて、そのゲームの舞台になった「雛見沢村」のモデルである岐阜県白川郷にいってきました。

初めての夜行バスに揺られて6時間、名古屋に到着し、マックで朝ごはんを食べて少し眠り、再びバスに乗って3時間ほど寝て、そこで白川郷行きのバスに乗り換えて1時間、といった具合でした。たいへんな行程です。

聖地巡礼の旅ということで、ゲームに使用された景色を狙って写真を撮りまくりました。自然が豊かな土地であることは間違いないのですが意外にも車の交通が多く、きれいな空気を胸いっぱいに吸い込んで気持ちい〜という感じではなかったですね。これは現地に実際に行かないと分からない身体感覚でした。

ただ悪いことばかりではなく、やはり実際に行ってよかったということもあります。ネットにアップロードされている写真では表現できない壮大な画角の広さや、山の稜線が築く雄大な自然の力強さを全身で感じることができました。こればかりは百聞は一見にしかずなのであえて写真は載せません。息を飲むような景色を360度の角度から見回し、その身で感じて欲しいと思います。

ところで旅を終えて思ったのが、独りで観光するのは辛いということです。孤独をテーマにしたブログを書いておいて一人旅に否定的なのかと思われそうですが、これは僕自身本当に意外な感情で、実際に行ってみないと分からないことでした。

例えば友達と映画を観に行った後、皆さんは映画について友達とさまざまに語り合うかと思います。もしかしたら映画そのものを楽しむというよりも友達と映画について語らうことを目的にして映画館に行くという人もいるかもしれません。あるいは映画を観た後にグーグルで「タイトル 感想」「タイトル 考察」などで検索をかけ、メタ的な娯楽を楽しむ人もいるだろうと思います。ネットが普及してから、人々はコンテンツそれ自身を消費するというよりも、コンテンツについて語らいたいという欲求に従う傾向があるわけですね。

僕自身はそれはあんまり良くないことだと思っていて(小説とか書いてる身からするとまずはコンテンツ自体を楽しんで欲しいと思う)、孤独に対象について向き合うことが大事だと思っているわけです。

けれども一人で旅行に行ってみるとそうではらなかった。一人で観光するのは辛いことだと思った。これは不思議なことです。観光というのは端的に言えばコンテンツ消費と同じです。にも関わらず一人は寂しいと感じた。これは特筆に価すべき現象だと思いました。大した結論まで思考が導けてませんが、以上です。