研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

懺悔:なぜ僕はその時電話を取ろうとしなかったのか?

2週間ぐらい前の会社でのこと。僕の所属する課の島に座っているのは僕だけだった。ちょうど昼時で、他に人たちはご飯に行っているか打ち合わせをしているかで出払ってしまっていた。新人の僕は電話対応という重要な任務を遂行しつつパソコンでエクセルをいじっていた。

向かいの席に先輩(女性)が戻って来た。先輩は打ち合わせをしていたようだ。先輩が席に着く。

僕は異変に気付いた。先輩はしゃっくりをしていた。あの、仕事はしっかりしつつ空いた時間はすっごいおしゃべりな先輩が、しゃっくりをしていたのだ。

「え、先輩しゃっくりですか?大丈夫ですか?脅かしましょうか?笑」

とか言えればいいんだけど、あいにく僕は冗談を言い合うような関係を未だ先輩と構築できていなかった。

しかしこのまましゃっくりを続ける先輩を向かいの席でスルーし続けるのも気まずかった。僕が先輩の立場だったら、しゃっくりしてるのを向かいから異性の後輩に見られるのはすごくきまりが悪い。

というわけで、僕はどうしたか。僕はそこで、席を立ってトイレに行くふりをしたのだった。そのときの僕の思考は以下のようなものだ:

 

 

(俺って気が利いてる)

 

 

今だから言える。僕はアホだった。何が(俺って気が利いてる)だ。アホか。カッコつけてんじゃねえぞ。

僕は""電話対応という重要な任務""を遂行していた。にもかかわらず席を立ったーーしゃっくりを続ける先輩を残して。

 

僕が席を立っていたあいだ、先輩がどのような思いをしていたのかはわからない。もしかしたら僕の行動に憤慨して彼女も席を立っていたのかもしれない。あるいは仕事はしっかりする人だからしゃっくり抑えつつ電話を取っていたのかもしれない。そもそも電話は鳴らなかったのかもしれない。

しかしいずれにせよ、僕はこのことを懺悔しなければならないーーそう思った。

 

あれから2週間が経つ。僕は未だに、先輩と冗談を言い合えるような関係を構築できていない。