遅い夏休みを取り北海道を周遊した。帯広、釧路、根室、網走、札幌、函館の6都市だ。とくに節約を意識してはいなかったが、5泊6日を約8.5万円で過ごした(当然、より安くすることは十分可能と考える)。まずは、十勝の濃厚豚丼やローカル格安カレーなどを食べた1日目の旅程をお届けする。
品川駅で京急の改札を超えて羽田空港へ――いつものルートだが、違う点が一つある。ANAのテリトリーである「第2旅客ターミナル」に行くのだ。いつもはJALを利用しているが、今回はANAとAIR DOの共同運航便を利用。初の2タミだ。
チェックインカウンターへ向かうエスカレーターからの景色。圧倒され、一度下に降りて、もう一度撮影のために乗った
直前までの仕事がひと段落するかどうか怪しく、旅に行けない可能性もあったため、宿を取っていなかった。急いで検索する。搭乗してからも懸命に調べ続け、飛行機が動き出す直前に予約を完了した。
初めての「北海道の翼」
シートピッチはJAL並に広い。機中では無料のドリンクもふるまわれた。周りのお客さんが「りんごジュース」「オニオンスープ」と言っているので、オニオンスープを注文。コンソメというか、うま味調味料みたいな深みはなかった。でもあったかかった。これでJALよりも安いのだからすばらしい。帰りもAIR DOを利用しようと決めた。
帯広空港からはバスで帯広駅まで1000円。車内で「帯広は平野があって十勝の自然が生んだ食が〜そんな帯広にようこそ!」的なアナウンスが流れた。今日、一泊もせずに釧路に行く予定でスマン。
JR帯広駅で降りる。
北海道は秋後半といった気候
寒いと言えば寒いが、これくらいがちょうどいい。
ここで大事な買い物をする。駅のカウンターで「AIR DO ひがし北海道フリーパス」を購入した。AIR DOかPeachで北海道に来た人だけが購入できるきっぷで、5日間、道東を走るJRの特急列車と普通列車が1万6380円で乗り放題になる。ネットによると、アンダー25割引きが使えるそう。ギリギリ25なので、「すみません、僕25歳なんですが割引されるんでしょうか?」。
当然、自分から申告しないと適用してくれないぞ
しかしU25割引が存在するサービスってほかにあるのかな。調べたら、JALの当日割引や神戸ー小豆島のフェリーなどもあるようだ。今のうちに使い倒さないと損だな。
帯広をぶらぶら……完全に秋。車が駐車場などに止まっているのは見かけるのだが、歩いている人は皆無。全然音がしない。見上げれば秋晴れ。風吹けば紅葉舞い散る。北海道。
十勝の豚バラ肉がやばい
で、北海道最初のメシ。帯広と言えば十勝、豚丼。ロードサイドの「ぶたいち 本店」に入る。中はけっこう広くてお客さんも多かった。
豚ロースと豚バラのミックスを注文した。食券制。
あの、「ハミ出て」いるんですが……
炭火焼だかなんだかのにおいが漂う
めっちゃうまい。笑顔になってしまう。こんなにうまい豚肉は初めて食べたんじゃないか? たぶん。1200円以上の価値ある。
なんとも艶っぽい
もしかしたらミックスじゃなくて全部豚バラでもよかったかもしれない。それぐらい豚バラの脂身がヤバい。噛むと「肉ジュース」になる、エロい(?)
帯広の用事はこれで済んだので、駅に戻りつつ街を散策した。なんか、のんびりした街という印象。内陸部にある街って独特の雰囲気がある。海に接してないから穏やかというか……うまく言葉にできないが。
道端にコスモスが咲いているが、この後北海道のいたるところで同様に見かけることになる
時間になり、駅のホームに入った。北海道の駅には「改札時間」というのがあり、目的の鉄道が来る直前にならないとホームに改札を通れない、というのは聞いていた。でも自動改札だったし、あまり関係ないような気もした。
なんとなく撮ったけど、この棒は何?
日も落ちてきて肌寒さを感じ始めたころ、「特急おおぞら」が到着した。
鉄道写真の趣味はないけど、これは撮るよね
特急なので進行方向を向いたシートが並んでいる。電気ではなくディーゼルエンジンで動く「気動車」。雪国ゆえ、線路上に電線を張り巡らせることも難しいということかね。たぶん乗るのは初めて。減速・加速するたびに床下から力強いエンジン音が聞こえてきて新鮮だった。
駅前にホテルがいっぱいの釧路
なぜかここでも帯広名物を食す
2時間弱で釧路に到着……
駅を出て最初に思ったのだが、ホテルがめちゃくちゃ多い。駅前を見渡しただけでも、スーパーホテル、ホテルクラウンヒルズ釧路、ホテルルートイン釧路駅前、コンフォートホテル釧路……どんだけあるんだと。出張で訪れる人が多いのか。
で、僕は東横インに宿泊。駅からまっすぐ10分ぐらい歩いた。フロントで初の「地域共通クーポン」をゲットし気持ちが昂る。ここで重い荷物を置いて、街に繰り出すぜ!
数多のビジネスパーソンが一度は泊まったことがあるだろう部屋
実は目的は決まっている。帯広を歩いていたとき、「インデアンカレー」なる店を目撃。帯広のローカル店でおいしいカレーを提供しているらしいのだが、釧路にも2店舗あるという。豚丼でおなかいっぱいだったので、釧路で食べることにした。
道中、遠目に見えた繁華街の一角。それなりににぎわっているような
駐車場が充実した敷地内に、店があった。ヤマダ電機やらハードオフやら何やらロードサイドっぽい面構えの店が立ち並んでいる。入り口は北海道らしく、断熱のための二重扉。
これがインデアンカレーだ!
見た目は普通だが……
うん、うまい。手放しに「最高!」とほめるわけじゃないが、家のカレーとは全然ちがうわけで。卓上にある特製オイルみたいなのをかけると、うまみとスパイシーさが足される。大盛にしときゃよかった、とちょっと思った。
ただ特筆すべきは味ではなく値段だろう。462円。これより安いカレーはいくらでもあるが、「そこそこうまい」というのがいい。
それで、さっき通りがかった繁華街を歩いてみる。
石畳とオレンジ色の街灯が洒落ている
なんか静かでいいな。土曜日の夜なのにガヤガヤしていない。もちろんコロナの影響があってのこの状況なんだろうけど。大都市のような客引きはいないので落ち着いて歩ける。
帰りにセイコーマートによってビールとつまみを買った。もちろんサッポロクラシック。これうまいよね。ホップの苦みがかなり抑えられているというか……ふだんはIPAとか上面発酵のホップ効いてるビールが好きなのだが、これだけは例外的に好む。
うまい飯、道端に咲く花、都内じゃ見ない気動車、こぢんまりとしながらも人が集まる繁華街、サッポロクラシック……北海道のいろんな街をもっと見たい、と思った。この北の大地にはまだ見ぬ魅力がたくさんあるのではないか。そんな予感がした。
明日、釧路→根室編。ありがとうございました。
【支出】
羽田→帯広空港(AIR DO) 1万3290円
帯広空港→帯広駅(バス) 1000円
ひがし北海道フリーきっぷU25 1万2680円
豚丼 1200円
帯広→釧路(特急おおぞら) 4690円←フリー
東横イン(GoTo適用) 1750円
インデアンカレー 462円
セイコーマートでビールとつまみなど→地域共通クーポン1000円分使用、513円
計3万595円