初めての寝台特急・サンライズ瀬戸号で東京から香川県高松市まで来た。朝7時半。高松駅はそれなりにでかく、駅ビルには書店などがある。しかしプラットフォームは3面6線ぐらいとなっており(うろおぼえ)、地方感ただよう。
快速マリンライナーと仲良く並んでるサンライズ
とりあえず駅を出てみる。うーん空が広いな。海に面しているからか、風通しがいい感じ。写真撮っとけばよかったな……気持ちのいい、開放的なところだった。
朝からうどん屋に行列ができるという狂気
あたりを見渡すと、さっそくうどん屋「めりけんや高松駅前店」がある。こんな朝早くからやっている。客脚も絶えないようで、ちょっと目を離した隙に列が形成される。でもちょっと離れて待っていると、列はなくなった。入ってみる。
かけうどん小210円、とり天190円
外観撮り忘れた。おいしいが、東京のうどんと比べて全然味が違うとか、コスパが図抜けて優れていると思うことはない。とにかくおいしくいただいた。香川のうどん一杯目。
さてどうしようか。香川の情報を一生懸命ググる。大人気のうどん屋「がもう」が気になる。JRで一本で行けるようだ。というわけで、高松駅から予讃線普通列車で約20分、運賃360円かけて最寄りの鴨川駅に着。無人駅。朝から山と川。
こんな感じの道をてくてく15分ぐらい歩いて、発見した。……って、行列並びすぎだろ!
何もない田舎道に急に現れる人だかり。駐車場には車やバイクがいっぱい
並ぶのは嫌なので退散した。帰り道も山が見える。山に囲まれてるんですな、この辺は。
で、大通り沿いにあったチェーン店らしきうどん屋に入った。東京では見たことない。
かけうどん、なす天、高野豆腐天。値段は忘れた。高野豆腐天っておいしいんだな、初めて食べたけど。かぶりつくとジュワってする
午前中にうどんを2杯食べた。ここからが本題。香川と言えば「こんぴらさん」の愛称で知られる神社・金刀比羅宮(ことひらぐう)が有名。確かに名前は聞いたことがある(ちょうど本エントリ投稿の前日、神社本庁を離脱したというニュースで話題になった)。山の上のほうにあるらしい。じゃあ腹ごなしに歩いてみるか。
こんな軽い気持ちで寄り道するような場所じゃないってことを、この時の僕はまだ知らなかった。
地獄のこんぴら登山 軽い気持ちで行くな
鴨川駅から琴平駅まで予讃線普通で43分、運賃560円。やはりここも山と川。きもちがいい。鴨川とは違ってちゃんと観光地なので、お土産屋さんや飲み屋、(帰り際に通ったけど)商店街などもあり、普通の街としても活動しているようだ。
参道へと直通になっているのであろう仲見世にはお土産屋さんが無数に立ち並んでいた。観光地価格のビール、うどん、ソフトクリームなどもたくさん売られている。大学生っぽいグループや、高校生の修学旅行団体などもおり、大変な活況を呈していた。
無料の足湯を発見し、入る。
たいへん落ち着く
タオルを持ってないのでティッシュで足を拭いた。
で、山登りを開始。一応、金刀比羅宮があるところまで登った。
めちゃめちゃ急な階段
眺めがよい
さらっと「登った」などと書いたけど、これけっこう、いやかなりきついからね。階段は急だし、手すりもほぼない。とにかくひたすら階段が続く。たぶん30分ぐらいかかった。スニーカー履いているとはいえ、スーツで、リュックにPCとか入っている状態で行くものではない。とにかくこれは「登山」であり、香川に来たけどうどん食う以外になにかやることないかなという軽い気持ちで寄り道するもんではないということを強調しておきたい。
さて、ほぼ憔悴している僕だが、衝撃的な事実に気付く。この金刀比羅宮があるところ、まだ5合目ぐらいだというのだ。もっと上の方に「奥社」があるのだという。なんと。エクストラコースがあるというのか。
ここで引き返すことも考えた。実際多くの人はそうしている。奥社に何があるというのか。体力的ににたどり着けるのか。……しかし今の僕は人生で最も若い。これから先、いつかわからないが、また金刀比羅宮に来た時の僕は今の僕よりも明らかに体力的に劣る。であれば、今登っておいたほうがいい。「奥社ねえ、昔登ったからまあいいか」となればいい。
せっかく上ったのになんで社の写真を撮ってないのかさっぱりわからない。ベンチでぶっ倒れていると、高校生たちがおしゃべりしながらスイスイと登ってきて元気あるなあと思った。
さっきの社には長蛇の参拝列がつくられていたが、こっちは空いている。それでも30人ぐらいはいた。小銭を出して手を合わせた。高台からの風景も見た。さっき5合目あたりで見た景色とだいぶ違うな。
写真を撮る人多数。ここまで登ってきた勇者たちである
そして帰った。水も尽き、食べ物もなかったが、下りは簡単だった。まあ、階段があるわけだしね。
帰りのほうが景色がいい
で、高松駅まで戻る。所要時間56分、870円……ずいぶん遠いところまで来ちまったなあ……
モチモチの釜バターうどんの店で行列を神回避
成田行きのジェットスターが19時25分発。あと3時間半ぐらい。最後のうどん屋に向かう。空港行のバスも検索しておく。ちょっと急がないとやばいかもしれない。行列ができていたら、あきらめよう……
高松市内は県庁所在地だけあって繁華街。高松駅よりも瓦町駅周辺のほうがにぎわっているようだ。美術館もある。おしゃれな石畳の街。そんなところになんとか製麺所みたいな店が点々としているのだからおもしろい。
道を歩いていると突如として現れるショッピングモール
こういう飲み屋街もある。楽しそう
住宅街に入り、最後の目的地・うどんバカ一代へ。高松駅から徒歩20分ぐらいか。電車を使えばよかった。なんと、待ちの列、なし!
住宅街を抜けたところにあった
こんぴらさん登頂という激務をこなしながらも全然カロリーを取ってなかったわけで、(いやまあさすがにぶっ倒れそうだったので琴平駅でおみやげの小さなまんじゅうを食べたりしたけども)、ついにやっとメシにありつける……
なんと客の入りは40%ぐらい。空いてる! 席に荷物を置いてカウンターで注文。
一番人気の釜バターうどん490円、チキンカツ130円、ちくわ天100円
麺がモチモチしている。バターの風味よし。胡椒もマッチしている。カルボナーラみたい。醤油をちゃんとかけた方がいいが、そうすると卵の味がかき消されるので調節が難しい。これでおなかいっぱいになるな。噛み応えのある麺なので。天ぷらは、まあ、作り置きなのでとくにコメントなし。
着丼してから数分後、17時を回ったあたりで次々と客が来店。登山中にも感じたけど、やはり香川って、大阪など関西圏からの観光客が多いイメージ。大学生グループだけでなく地元の老紳士・淑女なども来た。僕が店を出るころには店の外まで列ができていた。すこし来るのが遅れていたら入店を見送っていただろう。
空港に向かう。高松駅に戻っている場合ではない。シャトルバスの途中駅を検索してそこから乗る。やはり高松駅でたくさん人が乗っている。でも乗れた。
高松空港にはうどんのかけだしを無料で飲める蛇口があるのだが、コロナで使用停止になっていた。悲しい。
で、成田空港へ。疲れた。金曜日に仕事終わってから家に帰らず、夜行列車で香川に来て、朝からうどん食って登山してうどん食って飛行機で帰る。成田空港から帰るのも疲れる。
しかし高松、いいところだな。ちゃんと都会してるから、たんに街歩きできる。うどん屋もたくさんあるし、楽しめそう。駅前で激安レンタサイクルがあったから、今度はそれを利用してゆったりと海沿いとかも散策したいねえ。
東京→高松 サンライズ瀬戸号シングル 2万2540円
高松→成田 ジェットスター 5160円(セール価格)
往復 合計 2万7700円