Pixel4a5Gを購入してから2週間ぐらい経過した。ネットで検索しても、Pixel5のレビューはよく見るが、本機のレビューはあまり見ない。微妙なスペック、価格、ボディサイズ……おそらくあまり人気ではないのだろう。
だが初の超広角レンズを搭載したPixelシリーズ。イヤホンジャックがあるなどの利点もある。……まあ、そんなにその恩恵を受けることもないんだけど。それはともかく、今回はiPhone11Proとのカメラ比較を行っていく。
まずは夜景。汐留で撮影。
1枚目。2倍ズームで。iPhoneは光学ズームだが、Pixelはデジタルズーム。画質の違いは、スマホの画面だとほぼ感じない。
iPhone11Pro
Pixel4a5G
すべての夜景写真に言えることだが、iPhoneは暖色に、Pixelは寒色に振った色味になる。どちらががよいかはシチュエーションによるだろう。クリスマスに向けてこれから街々でイルミネーションが増えるだろうが、場合によっては肉眼で見た色味とかけ離れた印象になるかもしれない。
なお、この写真ではPixelのほうが現実の色味に近い。だがiPhoneの写真のほうがキレイと感じる人もいるだろう。
2枚目、新橋駅からゆりかもめ汐留駅方面。標準の広角レンズ。一番実力が出ると思われるレンズ。
iPhone11Pro
Pixel4a5G
PixelはNight Sightが発動したが、iPhoneは夜景モードが発動しなかった。これも基本的には見る人の好みによるのかもしれないが、僕の中では確実にPixelが勝っている。都会的なブルーの彩度。実際に目で見る景色にかなり似ている。iPhoneは温かみがありすぎて不自然に見える。
しかし、タッチした場所が悪かったのか、iPhoneのほうが露出少ないような……でもiPhoneはしっかり露出決めないと白飛びしちゃうんだよね。
3枚目。新橋のゆりかもめの改札近くから。銀座方面を5倍ズームで望む。網目ガラス越しに夜景でデジタルズームという超悪条件。
iPhone11Pro
Pixel4a5G
シャッターを切ってすぐは「iPhoneかな」と思ったが、見返すとPixelのほうがいいのかもしれない。Pixelはギラギラした味付けって感じがするが、白飛びがそれなりに抑えられている。追尾フォーカスがよく効いてる。この望遠距離なので手ブレしまくるわけだが、フォーカスのアイコンがぴったし一部分にくっついてる。
4枚目。浜松町に行ってきた。超広角レンズ。
iPhone11Pro
Pixel4a5G
PixelはNight Sight発動。iPhone11Proはそもそも仕様で超広角の場合夜景モードを使用できない。今年発売されたばかりのiPhone12シリーズから使用できるようになった。なのでこの比較にあまり意味はないのだが、ひとつ付け加えることとして、Pixelのほうが画角が少し狭い。まあiPhoneの超広角は画角広すぎなので、このぐらいがちょうどいいとも思う。
5枚目、東京タワー。2倍ズーム。東京タワーをタップして露出を合わせた。
iPhone11Pro
Pixel4a5G
iPhoneは肉眼と比べて色味がかなり暖色に振っちゃってる。でも看板の白飛びが抑えられてる。他方Pixelは看板がめっちゃ白飛びしてる。でも東京タワーはちゃんとハイライト抑えてくっきり見えており骨組みの立体感を感じる。色味もそれなりに実物に近いけど、ちょっとカラフルすぎかな。やはり過剰な味付けは感じる。
続いて飯カメラを検証する。ちょうどこないだ行ってきた函館で両カメラを使ってみた。
駅ナカにある「あじさい」の塩バターコーンラーメン。
iPhone11Pro
Pixel4a5G
これはiPhoneのほうがうまそうだ。実物よりも黄色っぽい気もするが、写真だけ見て不自然に感じるということはないだろう。Pixelはなんか暗い。
海鮮丼。
iPhone11Pro
Pixel4a5G
これはPixelだな。朝、窓に面したカウンター席で撮影したのでライティングがいい感じだ。iPhoneは写真単体でさえけっこう不自然に見えるのだがどうだろう。iPhoneで撮ったとは思えない色味だ。あれ、これPixelとiPhoneで写真間違えてないよな? うん間違えてなかった。
唐揚げ(ザンギではない)。
iPhone11Pro
Pixel4a5G
なんかiPhoneの写真は立体感がない。いわゆる塗り絵見たいな絵作り。最初から絵として作られたみたい。Pixelはテクスチャが伝わってくる。3次元の立体をスキャンして最大限ディテールを残したまま2次元に変換したみたいな感じ。
以上、写真の比較をお届けした。正直僕はPixelがいいと思うのだが、その理由は実は写真のクオリティではない。3点紹介しよう。
①カメラの起動がラク
iPhoneも起動は早いのだが、待ち受け画面を正確に左にスワイプしないと起動しない。斜め左とかだとカメラ画面に遷移しないので正確にスワイプする必要があるのだが、当方の指が短いため片手持ちの場合は結構失敗して暗証番号キーが表示されたりする。イライラする。iOS14で実装された「背面トントン」の機能を使ってカメラ起動のショートカットをつくってみたが、ケースに入れているためか起動したりしなかったりでうまくいかなかった。けっこう力を入れて「トントン」する必要があり、実用に耐えなかった。
他方Pixelは電源ボタンをダブルクリックするだけで「ブーッ」とバイブが鳴り、カメラが起動する。これはけっこう便利。
電源ボタンだけ白
②シャッター音が小さい
というか、iPhoneのシャッター音がうるさすぎる。盗撮防止のためとはいえ、下品だとさえ感じるレベルの露悪的な音、音量。べつに撮影してマズいところを撮影しているから音がでるのが嫌だというわけではなく、たとえば静かなホテルの通路とか、バスの中とか、そういうところであのキャッシャン! みたいな音が出るのはきまり悪い。Pixelは抑制的でいかにもデジタル端末搭載のカメラで撮りました、みたいな音でかっこいいと思う。
③Googleフォトのアップロードが無制限
というか、これまで無制限だったのがPixelのみに改悪されてしまった。図らずも無制限アップロード対象最後の端末となってしまったPixel4a5G。こいつで写真を撮り続ける限り、ストレージは無限である。
以上、3点が僕がPixelのカメラを推す理由である。ただここまでPixelを推すのはフェアじゃないから、iPhoneのほうが優れていると思われるポイントも記しておこう。2点ある。
①露出スライダーの操作性が高い
カメラを起動しているときにピントを合わせたいところをタップするとフォーカスするとともに露出調整スライダーが現れる。これを動かして明るくしたり暗くしたりするのだが、Pixelはこれが大変やりにくい。
iPhoneの場合、フォーカスマークの右側に出てくる太陽のマークを上下にスライドすればいいのだが、
Pixelの場合、画面上に出てくる太陽のマークを左右にスライドする必要がある。
右手だけでスマホを構えて撮ろうとする場合、画面上のスライダーを親指で動かすのはかなり困難だ。Pixel5ならなんとかいけるかもしれないが、iPhoneのスムーズさとは比べられない。
②動画も撮りたいならiPhoneがいいと思う
iPhoneは4K24fpsという設定で動画が撮れる。この24fpsというのがミソで、通常使われる30fpsよりもコマ数が少ないのでデータ量の節約になるのだが、4Kなので画質は高い。30fpsよりも多少カクカクした映像になるのでスポーツなど動きの激しいものには向かないが、街の風景を撮るのには向いている。映画みたいに味のある映像になる。なんでPixelでこれができないんだろう。これだけは本当に残念だ。