研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

【羽田空港】ターミナルを間違えて飛行機乗り逃した後にやったこと

こういうときもある。

 

さる11月3日(火)文化の日、札幌に日帰り旅行を予定した。10月に行った北海道周遊旅行であまり札幌に滞在できなかったので、その埋め合わせとして計画していた。

 

8時15分羽田発の新千歳行きAIR DO 015便に搭乗予定だった。朝6時半に起床。まー羽田まで五反田から30分ぐらいでしょ、国内線は出発の20分前、つまり7時55分に保安検査場に着けば間に合うわけだから、大丈夫……そう思ってシャワーを浴びて準備した。

 

だがJR五反田駅に向かいながら電車を検索すると間に合わないことに気付く。やばい。すぐに駅前でタクシーを捕まえた。

 

「高速道路使用しますか?」「使用しないと何分ぐらいで着きますか?」「そうですね、通常ですと20分ほどで着きますね」「じゃあ使用しないでお願いします」

 

Googleマップで現在地を確認しながらタクシーに揺られる。7時55分保安検査場着ということは、7時50分にはターミナルに着かないとヤバい。おい、信号早く青になれ! 心の中で叫ぶ。急いでタクシーに乗るときはいつもこうだ。

 

空港に着いたときのことをシミュレーションしておく。タクシーの支払いに電子マネーは使えるのか。クレジットカード払いは機器の準備に時間がかかるので避けたい。スイカをチャージしておくか。iDもスイカも使えなかったら現金で払おう。もしかしたら「おつりはいりません」を言う初めての機会になるかもしれないな……聞いたら普通にiDが使えるようだった。

 

第2ターミナル出発口を通過し、第1ターミナル出発口に車を寄せてもらう。時刻は7時51分。保安検査場に駆け込めば間に合うはずだ……

 

タクシーを出ると同時に走る! 保安検査場はどこだ……北海道仕様の服装のため背中が汗ばむ。コートの長い裾は走るのに邪魔だ。案内板のある上空をきょろきょろしながら走る。いつもの赤い鶴丸のマークがいたるところに目に入る。

 

そこで気づいた。

 

AIR DOの出発口は第2ターミナルにあるということに。

 

いつも第1ターミナルに行っているが、それはいつもJALを利用しているからだということに。

 

ANAとコードシェアしているAIR DOは第2ターミナルにあるということに。

 

しかし僕は焦らなかった。というか、焦っても仕方がない。どうすれば第2ターミナルに間に合うか? そもそも第1ターミナルから第2ターミナルにはどうやって行くんだ? 考えろ、考えろ! 以前、京急で羽田で降りて間違って2タミ方面の改札に来てしまい連絡通路を通って1タミまで来たことがある。あれの逆をすればいい。しかし、あれって改札の中を通るんじゃなかったっけ?(←外です) じゃあどうするんだ。案内板ひしめく上空をきょろきょろするも、連絡通路がどこにあるのかわからない。案内所のお姉さんの前には複数の空港利用客が並んでいて道を聞くことができない。京急の駅のほうまで走ってみる。駅からターミナルに向かってキャリーケースを引っ張ってくる人の群れをかき分けて走るも、そこにあるのは改札へと至る下り階段。やはり連絡通路は改札の中か……(←改札の横にあります)。

 

時刻は7時54分。もう間に合わない。予約便に乗るのはあきらめよう。そうとなったら早く予約をキャンセルしなければ。たとえば搭乗20分前になるとキャンセル料率が上がるなどのシステムがあるかもしれない。急げ! 柱に背を預け、スマホを高速で操作する。キャンセルはどのページから行うんだ? 分らんが、とにかくマイページを開き、予約便一覧から当該便の詳細ページへアクセスする。そして……

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なんと手数料もキャンセル料もゼロ円だった。すばらしいAIR DO。ほっと一息つく……そんなことしてる場合ではない。代わりにどうやって札幌まで行くかだ。正直、今回の旅それ自体をやめてしまおうという気持ちもなくはなかった。GoToを利用して気ままな一人旅を毎週のように行っている僕だが、いい加減疲れてきた。たまには都内で、というか家でのんびり映画でも見ていたい。これもいい機会なんじゃないか。帰りのAIR DO便もキャンセルしてしまえばいいのではないか……

 

しかし僕はあきらめられなかった。振替便を探す。AIR DOはこのあと新千歳に向かう便まで数時間あいだが開いていたのでパスする。それよりも今は1タミにいるわけだから、JALで探そう。あっという間に見つかった。当初よりも55分後に出発する便だ。しかも空席がある。

 

ネットではなくすぐそばにあるチケットカウンターで手続きをする。その際、「スカイメイト」という制度を利用した。これは25歳以下の人間が使える制度で、当日出発空港で空席があった場合のみ、チケットが安く購入できるという制度だ。どのぐらいの割引率なのかは明示されていないが、今回、羽田→新千歳便を1万4810円で購入することができた。これはけっこう安いのではないか。
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地上係員の方に「スカイメイトで購入したいんですが」と話しかけ、助けてもらった。せっかくなのでJALカードで決済した

 

いやはや、やっと一息つけるぜ。マスクとコート着用で空港内を歩き回っていたので、いささか暑い。外に出て、新鮮な空気を吸い込んだ。
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第1ターミナルのモールを上にのぼりながら振り返る。すべてのミスは、まずは家を出るのが遅かったことだ。もっと早く出るべきだった。五反田→品川→羽田空港の電車は、確かに、乗り換え時刻を調べるのもばかばかしいぐらい頻繁に走っている。けれども、最大で何分ぐらいかかるかは考慮しておくべきだった。

 

そしてタクシー。電車では間に合わないと判断してからの切り替えは早かった。しかし、そこで第1ターミナルを指定してしまうというアホっぷりには目を覆わずにはいられない。ちゃんとターミナルを事前に確認すべきだ。気づかずタクシーに乗ったとしても、走っている最中にもう一度チケットの記載を確認しておけば、1タミで降りることができたはずだ。


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悲しみのレシート

 

タクシー代が5220円、飛行機代が予約したAIR DOより4800円ぐらい高かったので、合計で1万円の追加出費を余儀なくされた。f:id:liefez:20201107191117j:image

JAL機まみれ

 

そうして9時10分、札幌行きのJAL507便に乗ることができた。

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成田空港と羽田空港を間違える、という話はネットでよく見かける。いや、よくは見かけないが、あまりに衝撃的なトピックなので見る人の記憶に定着しやすいだけか。それだけ、予約した飛行機に乗れないという事態は人の恐怖と関心を惹起する。しかもそれがほんとうに素朴な勘違いや思い込みに起因しているとなると、ほんとうにやりきれないし想像するだけで怖くなる。でも、羽田空港でターミナルを間違えたぐらいなら何とかなる。

 

まずは落ち着け。深呼吸しろ。外にいるならマスクを外して。脳に酸素を送り込め。そして検索しろ。勝機はどこかにある。


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機内でもらったスカイタイム(JALオリジナルのキウイジュース)