研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

【2022年ベスト】聴いた音楽まとめ 米津玄師、Perfume、藤井風…

2021年9月から「●月に聞いた曲」というプレイリストを毎月つくっています。Twitterで毎月プレイリストを公開している人を見て始めたのですが、これがなかなか楽しい。というわけで、振り返ってみます。

 

 

1月「Secrets(Your Fire)」宇多田ヒカル「BADモード」

「Secrets(Your Fire)」 は、女性ボーカルの、都会的で洗練されたイメージのカッコイイ曲です。当時、2021年12月31日から2022年1月1日にかけて僕は新庄市のホテルに宿泊していて、元旦に新幹線で帰京していたのですが、途中で雪の影響で新幹線が1時間弱停止しました。そのときポッドキャストでアトロク(TBSラジオの番組「アフター6ジャンクション」)を聞いていたのですが、そこで曲紹介されていたのでした。

おしゃれな曲です。メインパーソナリティの宇多丸氏が「番組帰りにコートのポケットに手を突っ込みながら夜の赤坂を歩きながら聞いてるときの高揚感がすごい」と言っていて、僕も真似して仕事帰りに聞きまくってました。ラジオ聞いてないと出会えなかった曲です。

「Coincide」はロック。地元のパブに行ったら流れていて、かっこよかったのでShazamして見つけました。こういう曲との出会いを大切にしたい。

あとは「BADモード」……これは説明不要ですね。歌詞がいい。

 

2月 Perfume「チョコレイト・ディスコ」「Magic of Love」

「44 More」「Under Control」はひとりで酒を飲んだときに酔った勢いでApple musicのステーション機能で洋楽をdigってた時に見つけて追加した曲なんですが、翌朝聞いてみるとそんなでもない……みたいなワンナイト・ソング。

「チョコレイト・ディスコ」はバレンタインなので聞いたんですがやはり良い。いつ聞いても良い。

「Magic of Love」は明るくてとてもいい。Perfumeつながりで聞いてハマりました。歌詞もスウィートな可愛さがあってすばらしいですよね……! テンポもすごくよくて、当時、池袋で仕事のアポがあったんですが待ち合わせの前にずっと聞いてテンションを高めていたことを思い出します。個人的にはPerfumeのなかでも指折りのアンセムだと思ってるんですがApple musicの人気ランキングではそんな上ではないのが不思議。

「ナタリー」は、なぜかふとサビのメロディが脳裏に浮かんで、「この曲なんだっけ?」と思って調べてたどり着きました。ちょうど2月に引っ越しをしたのですが、デスクとして改造した押し入れにBluetoothスピーカーを置いてこの曲を流して作業していたことを思い出します。

2月は引っ越ししたことや、会社の異動が内示されたこともあり、これまでの日々との決別、新生活への準備・決意、苦しくて悩んで迷って弱っていた自分の脱皮、みたいなのがあった月だと思っているんですが、このプレイリストにはその感じが現れているような気がします。前から好きだったPerfumeの「チョコレイト・ディスコ」で背中を押され、「Magic of Love」でエンジンが動いて助走を始め、「ナタリー」で離陸したような。

 

3月 Perfume「未来のミュージアム」

引き続きPerfumeです。「未来のミュージアム」はなんとなくイントロのメロディが終わりというかエンディングというか、区切りを予感させる雰囲気があるなと思ったんですよね。で、実際に歌詞を聞くと、すごく「卒業ソング」っぽい――しかも前向きな。2月の「脱皮」「決別」的キーワードを引き継いでいるような気がします。いま思えば。

あとの3つは最後のプロジェクトが佳境を迎えていて、リラックスしたくて探した3曲ですね。聞くと、「解放」に向けて着実に進んでいた当時の自分がすごい美化されて再生される感じがします。ああ、頑張ってたんだなあ……と。

 

4月 坂本龍一「the land song」

異動してちょっと、というかかなり仕事がラクになって、平日に森美術館に行ったんですよね。そこで帰りのエレベーターホールを出たところで流れてた曲がすごくチルくて、Shazamしたのが「the land song」と「孤独の発明」でした。だから聞くとその時のことがよみがえります。人も少ない平日の六本木でこういう新しい音楽に出会ってプレイリストに登録するという、すごく豊かで心満たされた昼間のことを。

 

5月「さよならプラスティックワールド」米津玄師「M八七」

Perfume is Back! 新譜が出たのでね。「さよならプラスティックワールド」。これ、歌詞がすごくよくてTwitterでシェアした覚えがあります。

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時宜をとらえてるなーと。中田ヤスタカはやはりすごい。

「気分上々↑↑」は、「パリピ孔明」のアニメを3話ぐらいまで見たんですが、そこでカバーされていたので聞いてました。懐かし~……たぶん僕が小学生のときに流行っていた曲だったと思います。いい曲ですね。

あとは「シン・ウルトラマン」を見に行ったので、それで米津。「M八七」。これもいい曲ですね。ちょっと悲しいトーンですけど。そのつながりで「Pale Blue」も聞きました。「それは水もやらず枯れたエーデルワイス」のところで雰囲気変わるのいいですよね。

 

6月「足りない」

「足りない」はドラマ「明日、私は誰かのカノジョ」のエンディング曲。毎回毎回、音楽を挿入するタイミングがすごく印象的でした。イントロの「ああ もう一つ足りない」の「ああ」が効いている。曲もいいし、ドラマもとても面白かった。原作コミックも全巻買いました。6月から7月にかけて放送中はかなり聴いた曲です。

「Nash Music Library」というのはフリー音楽なんですが、当時宿泊した会社近くのホテルの部屋で「白い朝」がBGMとして使用されていたんですね。で、Shazamしたら、以前別のホテルでBGMとして使われていた「memory of me」も同じアルバムに収録されていると知って驚いた……それでほかの曲も聞いたら良曲だったので繰り返し聞いた、という次第です。

 

7月「Classic」「Sparkling」

当時、書店で本を買い、そのままスタバに行ってすぐ読むということをしていたのですが、ある日スターバックス丸の内オアゾ店でラテを飲んでいた時に店内で流れていた曲がすごくカッコよくて、Shazamしたのが「Classic」でした。

落ち着いてると言えばそうなのですが、なにか内に秘めるものがあるAメロBメロで、来たる夏に向けての高揚感とか微熱感をもちながらサビで軽やかに縦ノリしたくなる、初夏の夜に意外と似合うオトナっぽい一曲と思ってヘビロテしてました。1月の「Secret」が冬のナイトライフを象徴するシティ系ソングならば、「Classic」は夏のそれという感じがします。スタバの選曲も侮れません。

あとは……「Sparkling」ってなんで知ったんだっけ? たぶんどこかで聞いてShazamしたんだと思います。これもサビの抑制の効いた盛り上がりがおしゃれです。よく聴いていたと思います。

 

8月 マイケル・ジャクソン「Smooth Criminal」

8月は謎で、4曲しかないし、その4曲とも昔聞いていた曲なんですよね。つまり、新しく出会った曲ではない。強いて言うなら「Smooth Criminal」はMVにちょっとハマって、歌詞の和訳を読んだりしたので、新しい発見ではあったかもしれない。でも全体的に刺激が少ない月だったような気がします。夏バテしてたんだろか。

 

9月 君島大空「19℃」

時間ができて、なんとなくサブスクで映画「デッドプール」を見直して「Careless Whisper」を聞いたり、映画「イエスタデイ」を見てビートルズを聞いたり、ドラマ「ピースメイカー」を見て「Do Ya Wanna Taste it」を聞いたりした。

でもそんなことよりも、下旬になって出会った「19℃」が9月の最重要ナンバーだと思います。君島大空という僕と同い年のシンガーの曲なのですが、夏の終わりの切なさがめいっぱい表現された音楽で本当にすばらしい。なんかこう、いろいろなことをやり残したまま季節は移り替わっちゃうね、みたいなやるせなさとか、窓の外のオレンジ色の空を眺めながら壁にもたれるような脱力感とかがあったりして、ボーカルのエフェメラルな感じも相まって一瞬にして晩夏の夕暮れにいざなわれるような曲です。君島さんのライブ、コロナ前からずっと行きたいと思ってたんですが、来年こそ行きたい。

 

10月 米津玄師「KICK BACK」ヒゲダン「ミックスナッツ」

10月はこれといって特別な思い出があるわけでもないんですよね……「KICK BACK」はチェンソーマンのOPですが、かっこいいですよね。とくに「幸せになりたい 楽して生きていたい 全部めちゃくちゃにしたい 何もかも消し去りたい」という歌詞は、複雑なことを考える余裕がなくて抽象的な欲望しか抱けないデンジの心境がストレートに歌われているようで好き。

「ミックスナッツ」は、スパイファミリーは見ていないんですが、流行っているので聞いてみたらいい曲だった、という感じです。

ああそうだ、10月は戦国無双4をやり始めたんですが、僕は無双シリーズのBGMが昔から好きで、その流れで検索してみたら実はApple musicでサントラが聞けると気づいて驚いた、ということがあったのでした。

 

11月 藤井風「grace」「帰ろう」「青春病」

ぜんぶ藤井風。

マッチングアプリである人と通話することになったんですが、話のネタを探すために改めてプロフィールを読んだら藤井風が好きと書いてあり、試しに聞いてみたらドハマりしました。耳に残るメロディ、予定調和ではない複雑なコード進行、胸を打つ歌詞……すごいアーティストだ、と思ってYouTubeでMVを見たらめちゃくちゃイケメンで笑ってしまった。モデルじゃないの? で、さらにYouTube公式インタビュー動画を見たら一人称が「ワシ」でのんびりしたしゃべり方をする人で全然イメージと違う。でも英語がすらすら話せる。何? 何? 設定盛りすぎで意味わかんないんだけど。神話の主人公か? 魅力的すぎる……という話を通話でも実際にしたことを覚えています。

なにより曲が本当にいい。特にどれが、というのは選べないんですが、再生数でいえば「grace」「帰ろう」「青春病」とかでしょうか。いやもうほんと、藤井風のよさについて語ろうとすると長くなってしまう。12月にはアリーナツアーライブも行きました。別の記事で書こうと思います。

 

12月 STUTS「夜を使いはたして」「Mirage」藤井風「ロンリーラプソディ」

Twitterでトラックメイカー・STUTSのことを知り、調べてみたら「夜を使いはたして」の人だと知り、ハマりました。「夜を…」は名前は聞いたことはあったんですが曲をちゃんと聴いたことはありませんでした。歌詞の内容的には朝起きて夜あったことを振り返る、みたいな感じだと思うんですが、繁華街の雑踏を駆け抜けるようでカッコイイ。あと「大豆田とわ子」のエンディング「Presence I」もSTUTSなんですね。でも一番聞いたのは「Mirage」だと思います。

藤井風は、宮城の公演のセトリに入っていて、改めて聞き直した曲ですね。「ロンリーラプソディ」、すごくいい曲だなあと思います。歌詞がすごくいい。まったく難しい言葉を使わず、だれにでも伝わる表現で、一切の「てらい」なく一人の寂しさを表現しています。大切な曲です。

「Bossa D'brazilia」ですが、これ、どこかで聞いたことありませんか? 宮城に遠征に行ったとき、駅ナカの書店で流れていました。「前からずっと聞いたことはあるけれど名前を知らなかったやつだ!」と思い、Shazamしました。いいピアノですよね。でもぜんぜん知名度のある曲ではない。

 

以上、2022年に聴いた曲を振り返ってみました。プレイリストを毎月つくる利点は2つあると思います。一つ目は、音楽を探す癖がつくこと。プレイリストを充実させるために、自らアンテナを広げ、新しい曲を探したり、街中で耳を澄ませたりするようになって、日々が充実します。二つ目は、聞き返すことで当時のことを思い出すことができることです。プルースト効果の音楽バージョンというか、「ああ、あの時あんなことあったなあ」と記憶がよみがえってくるわけです。ライフログとしていいなと思うので、続けたいと思います。