見たい、読みたいと思うものは無限にあるが、まとまった時間を取って一気に消化する時間は取れない。こないだは正月があったのでそういうことも可能であり、実際「SHOGUN」全10話を2日かけて一気見したのだが、それが悪しき成功体験になってしまった気もする。夏休みの最終日に溜まった宿題を終わらせると、以後、「最後に本気出せば終わるじゃん」とダメな学習をして怠け癖がついてしまう……みたいな。
そんな時『時間のデザイン』を読んで、楽しみは分割したほうがいいという考えに触れた。
いわく、人は一気に物事に熱中すると「飽きる」のだと。ウマ娘とか、流行りのゲームをやってる人でそういうことありますよね。
一方で著者は、ゲームとか長い本とかは一度に読まない。一日5分だけ、15分だけ、と決めている。漫画も1日1話しか読まない。そんなふうに決めると、飽きずに続くのだとか。
なるほどよしやってみるか、ということで、前から見たかったNetflixの「タイプロ」(timelesz project)と、YouTubeで配信中の「ノノガ」(No No Girls)を、両方1話だけ見た。
どちらもオーディション番組。しかしたぶん、ふつうのオーディション番組とはどちらも違いが見える(といっても私はオーディション番組をこれ以外に見たことないのですが)。
以下に書いたのはあくまで第1話だけを見た人間の感想です。
タイプロは
「会社の採用面接」
タイプロは、そもそも新しいアイドルグループのメンバーを選抜するオーディションではない。すでにあるtimeleszというグループの新メンバーを探すオーディションだ。
だから歌唱力やダンス力、佇まいの魅力などアイドルに求められる基礎的なポイントだけではなく、「timeleszのことをどれだけ知っているか?」「どれだけ加入の意志があるか?」といった点が問われる。これらは実際、第二次選抜でtimeleszのメンバーから応募者たちに投げかけられた質問だ。これはほとんど会社の採用面接で問われることに近い。
それを裏付けるように、 メンバーたちはインタビューにおいて、新メンバーに求めることについて「協調性があるか」「空気に合うか」といった点を挙げている。
No No Girls は
グローバル基準?
一方ノノガは、新しく立ち上がるスタートアップグループのメンバー募集ということで、それほど意欲面での選抜の過酷さはない。しかし、歌唱力がかなり重視される傾向にはあった。それはグループをプロデュースするちゃんみな自身の過去の経験が反映されている。自分がダンス面でグループの足を引っ張っている、と指摘されることで、歌いたいという自分の希望を叶えられなかった経験が背景にあるのだとか。
その上で、「No fake」「No lazy」「No hate」の3つのNoをコンセプトにグループをつくっていく。応募基準は、ナシ。ゆえに、応募者の名前がテロップで表示される時も、年齢は表示されていない。そこを見て選考しません、という意思表示なのか。実際、審査していたちゃんみなとSKY-HIの手元にあった書類にも年齢は書いてないんですかね? まあ履歴書に年齢を書かせるのはアメリカではありえない(エイジズム、年齢差別)らしいから、最初からグローバルスタンダードを狙う(んですかね?)アイドルとしては素晴らしいと思う。これは、そもそも日本のアイドルとしてスタートしたtimeleszおよびタイプロとは明確に違う点だった(タイプロは応募者の年齢が画面に出てきます)。
あとは応募者の女性が歌ってる時に、ちゃんみなもSKY-HIも楽しそうに反応してるのがいいですね。ライブで盛り上がってる時みたいに、腕を上げたり、フゥーッて声上げたり。公平な審査になるのか?と思いつつも、リアルに感動してる感じが出てるのが良かった。
そんな感じです。今さらですが、これから少しずつ見ていきます。