言明「ウイスキーはガソリンだよ」を発した時に2通りの解釈が考えられて、ひとつは「ウイスキーは俺の日々の原動力だ」っていうのと、もうひとつは「ウイスキーはガソリンみたいで飲めたもんじゃない」っていうのがあると思うんです。
まあそれはともかく「抵触」という言葉を「言及する」という意味で使う知人がいて、皆さんご存知通り一般に「抵触」はなにかルール違反したときに使うことが多いと思うんですが、辞書を引いてみるとどうやら言及するという意味もあるみたいです。
ただやっぱりその知人の「抵触」は統計的多数派の用法からは少しズレているような気がしますね。だから知人は誤解される可能性もあるということを自覚してほしいと思います。
誤解というのは抵触の意味ではなく「何言ってんだこいつ……」と思われてしまうってことです。
最近興味深い話を読んだのですが、iPhoneのSiriって統計データを利用して応答文を組み立てているらしいですね。例えば"I"の後には何%の確率で"love"が続き、さらにその後には何%の確率で"you"が続くと言った具合に。で、その統計的AI(人工知能)っていうのは、古典的な文法解析型AIよりも人間的な返答をする優れたシステムなんだそうです。
だからもしかしたらその知人も辞書的な意味に固執するあまり我々の経験的感覚と離れた言葉の使い方をしているのかもなと思いました。