年金手帳を持ってないので朝イチで年金事務所に行き、発行する。
会社に行く。電車の混み具合に死にそうになる。
電車を待っていたら、左からスゥーッと奴隷船が流れてきて、
(あれ?おかしいな)
と思い、次の電車を待ったところ、左からスゥーッと奴隷船が流れてきて、
(あれ?おかしいな)
と思い、次の電車を(…)
というループに陥ることが予想されたため、頑張って乗車する。
10時出勤。研修という名の役員からの訓話を受ける。眠い。
自己紹介をしたところ、
「もっと面白いこと言えよ、つまんねえよ」
と役員の男に言われる。
つまんねえ男につまんねえと言われても褒め言葉としか取れない。
17時半から歓迎会。という名の飲み会。会議室にテーブルを並べて立食。
最初はいろんな人が話しかけてきて楽しかった。
中締めしてからが地獄だった。残されたメンバー(むろん新入社員は残留を求められる)で車座になる。先ほどの役員の男が自慢話などをする。周りのメンバーが笑う。
僕は硬直した笑顔を浮かべながら、
(愛想笑いが得意になってはならない。愛想笑いは、愛想笑いだと分かるから意味があるのだ。人から見て本当に笑っているように見える愛想笑いは、いつしか自分を倒錯させていく。つまり僕は、「まず笑え、そうすれば自然と楽しい気分になる」といったテーゼを否定する。笑ってもいい。だが心の中にある、「これクソつまんねえな!!」という気持ちを決して捨ててはならない。その気持ちさえ欺いてはならない……)
と思っていた。午後9時のことだった。