研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

タイ古式マッサージ行ったらすごかった

体が凝り固まってきた気がするのでマッサージに行こうと思った。せっかくなら名前だけは聞いたことがあるタイ古式にしようと思った。EPARKで検索し、御徒町にある店を発見。60分のタイ古式マッサージ+30分のフットオイルマッサージで、クーポン利用で5800円ぐらい。安い! 

雑居ビルの4階にある。

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なるほどな店構え。

にこやかな若い女性に案内された。喋り方から日本人ではないとわかった。タイの出身かどうかはわからない。

「お茶はあったかいのつめたいのどっちですか」と聞かれた。新橋駅の蕎麦屋で「うどんですかそばですか」と尋ねる店員さんそっくりだった。

受付というか待ち合い所はこんな感じで、水槽の酸素ポンプがコポコポ言っていた。

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このテーブルの斜向かいに、ドミトリー的な施術スペースが4つほど並んでいた。一番手前の空間に通され、着替え。ズボンが、力士が履くのを想定しているのかというレベルでゆとりのある設計だった。腰ひもを横で結び固定する。上のシャツはちょっと生乾きの匂いがした。ちゃんと乾かしてくれ。

で、まずは足を洗ってもらった。お湯を張った桶に足を入れると、お姉さんがボディソープで指の間までチャプチャプときれいに洗ってくれた。足を洗ってもらうという体験が初めてだったのでくすぐったかった。というか、気持ちよかった。マッサージはもう始まっている。

そのあとはうつ伏せに寝た。マッサージ店特有の、あの顔を埋める穴。マットやタオルをハサミで丸く切ったようで、縁の部分がほつれていた。手作り…?

穴の下は床下になっていて、そこには薔薇の花が閉じ込められたガラス細工みたいなものが置かれていた。覗き穴式庭園というか、なんというか。きれいなガラス細工なのだが、顔の目の前ではなく少し左下にズレて置かれているのがなんともいえないヌケ感があった。

まず脚の裏側をグッと押されていく。足、ふくらはぎ、太もも…力が強い。これまで受けてきたマッサージと全然違う。指圧は圧迫する面積を小さくすることで圧力を高める手技だが、タイ古式では親指だけでなく掌底や肘などいろいろな部位を使っている。指よりも面積が広い部位だから、体の奥の凝りにアプローチするにはより力が必要になると思われるのだが、このお姉さんのどこにそんな力が? というぐらい強い。効く。とくに太ももは万力で締め付けられてるのか? というぐらいムギュウと押されて気持ちいい。

下から這い上がっていくようにして、お尻、腰、背中、肩もほぐされていく。これまで受けてきたマッサージが単純なプレス、つまり押す動作がメインだったのに対し、タイ古式はフリースタイル。揉んだり叩いたり、指でぐにぐにしたり…すごく気持ちいい。これまでマッサージを受けているときに「そこ、もうちょっとぐにぐにしてほしいのに…」と思ってたことをことごとくやられている。すばらしいと思った。

腕もマッサージされる。筋肉をぐりぐりされて気持ちいい。やはりこのぐりぐりがミソですね。単に圧迫されるだけでは味わえない気持ち良さがある。家とか銭湯で自分でマッサージするときはぐりぐりするでしょう? それをやってもらっている。

首の後ろを5本の指でつまむようにしてほぐしていくのもよかった。受付で「肩とか首の後ろとか疲れてますね」と言ったからだろうか、すごく重点的になんどもマッサージしてくれた。おかけでいまこうしてスマホで文章を打っている時も頭が軽く感じる。今まで重たい頭を支えるのに首が疲弊している感じだったが、今は頭が羽衣のように軽い。

背面の施術が終わり、最後に両手を後ろに掴まれ思いっきり引っ張られる、あの「タイ古式といえば」なストレッチをされた。見た目は派手だけどこれは別にそんなに凝りが伸びる感じはしなかった。

で、仰向けになる。すねの筋肉をぐりぐりされる。あー! そこ、昔からほぐしたいと思っていたところ…自分でもぐりぐりしたりするんだけど、けっこう力が必要でなかなかできなかった。なのですごくよかった。長年の凝りが癒やされてゆく。

で、足元からすね、太もも、と順番に上の方をグッと押していく。お姉さんが両手を使って右足と左足を同時に押し、這うようにして胴の方に上がってくる。けっこう上の方まで行くんだな…と思ってたいたら太ももどころかほとんど鼠蹊部まで到達してきてヤバい。そんなところまで押すの?  正直気持ちよかったが、股間が不都合なことにならないよう強靭な精神力で耐えた。声が出そうになるのを堪えた。目はタオルで隠されていたのだがマスクを外していたので、口が緩んでるのを見られてないかと恥ずかしかった。

で、途中でフットオイルマッサージ。足にオイルを塗り塗りされて、リンパ流しみたいな感じでヌルヌルされた。で、何かの器具で角質落とし的なことや、ブラシみたいなやつで指の間をスリスリされたりした。まあ気持ちよかった。

足を拭いてもらって、それから腕の内側と手のひらをグリグリされた。これがよかった。腕って自分ではマッサージしづらいからな〜。人にやってもらうと癒される〜って感じがする。特に手は。…単に人肌の温もりを求めているだけかもしれないけど。

で、あとは首の後ろを再度つまむようにしてほぐされ、肩をトントンされたりした。頭のマッサージもされた。こめかみとか耳の周りとかを指でグッグッと押された。ほっぺたのほうも押されたりした。美容院の頭皮マッサージとは違う気持ちよさがあってよかった。いいですね。

それから脚を四の字固めみたいな形にして体側にグッと押されるストレッチ(これもタイ古式マッサージの施術としてよく見る気がする)をされた。股関節を伸ばすのは家でもよくやっているのたが、人のサポートを受けてやるとよく伸びるなと思った。

また、長座体前屈をするのだが、そのときお姉さんが体でのしかかるようにして僕の背中を押してくるのですごいプレッシャーだった。でもおかげでよく伸びたなと思った。

以上で終わり。着替えて、またお茶をもらった。お金は払っていたので、飲み終わったら好きなタイミングで帰るというシステムのようだ。帰りがけ、「お客さまはこちら初めてですか?」とお姉さんに聞かれ、「はい」と言ったら「そうですか」とニコニコされた。「お茶ごちそうさまでした」と言ってお店を出た。本当は「気持ちよかったです、ありがとうございました」と伝えたかったのだけど、気持ちよかったという言葉がすごく恥ずかしくて、マッサージを受けたにもかかわらずお茶のお礼を言って帰る客になってしまった。

またタイ古式マッサージを受けたいと思う。