僕は大学3年生の春、具体的には2016年3月6日日曜日に観た『オートマタ』からずっと、観た映画の半券をスクラップしています。なんのためにやっているのかわかりませんが、とにかくやっています。
観た映画はできるだけフィルマークスに感想を書くようにはしていますが、つまらないものは書かなかったりしています。しかし半券は映画の面白さにかかわらず必ずスクラップしているので、網羅性が高いです(あくまで劇場で観た映画なので、今年公開の新作とは限りません)。というわけで今回は、このスクラップを振り返りつつ、一行で感想を書いていきます。
『勝手にふるえてろ』
松岡茉優の演じるこじらせ女子なんて最高に決まってる。最後は純愛なのも良い。自意識のミルフィーユ、メタ突っ込みの無限後退。元旦の上映回だったが人が多かった。
『KUBO』
寝てた。みんな極端に目が細く描かれてるのが気になった。
『バーフバリ 王の凱旋』
神。2018年1位。観終えたときの打ち震えようは言葉に表せない。すさまじき熱量。もう一度観たいと思いつつ、しかし「人生というのは1度しか経験できない」とも思っている。つまり人生。
『キングスマン ゴールデンサークル』
友達と見に行ったのだがつまんなくて帰りの電車が微妙な雰囲気になった。今はなき日比谷のトーホー日劇で鑑賞。
『デトロイト』
恐怖の1時間ということで評判の高い尋問シーンがあるのだがまさにそこで寝てた。黒人差別はよくないのだが、被差別意識をもつ黒人が不必要に暴徒化するのが悪いのだ、という見方もある。というかそういう見方を意図的に生じさせるようにつくられている。
『ジュピターズムーン』
寝てた。眠い映画。
『【爆音】恋する惑星』
新宿ピカデリー。人口密度の高い香港の街並みが良い。香港行きたい。猥雑だけどオシャレ。東洋の神秘。
評判高いのにかなり寝てしまった。ラストベルトで非差別意識をもつ白人の話だったと記憶している。
『RAW 少女のめざめ』
ずっと主役をエル・ファニングと勘違いしていた。映像はいいが、好んで見るもんでもない。ベジタリアンとして育てられた女の子が、誤って肉を食ったことによって、カニバリにめざめてしまう話。
『【爆音】はじまりのうた』
今年の映画ではないが、今年はこの映画の思い出が大きかった。初めてみたときと違い明るい印象があるのは爆音上映だからか。学生時代のNY旅行の思い出が急速によみがえった。その後サントラの"Into the Trance"をヘビロテする。ちょうどこれを観たころに一人暮らしを始めていて、キーラ・ナイトレイの歌声に励まされていた。
『ブラックパンサー』
敵がかっこいい映画。アフロフューチャー。北京での戦いのシーンがある。『ゲームの王国』のような東南アジアSFはいつ出るかな。
『リバーズ・エッジ』
二階堂ふみの安定感。初めて渋谷HUMAXシネマで鑑賞。まあまあよかった。
『リメンバー・ミー』
ボロッボロ泣いた。いい曲。死者の国で自分の祖先を探しに行く、というプロットがよい。やはりピクサーはすばらしい。
『ペンタゴン・ペーパーズ』
ほぼ寝てた。この後『大統領の陰謀』をレンタルした。もう一度勉強のため見たい。
言わずとしれた爆死作。無念。
爆音で観た『はじまりのうた』以来、NYの思い出をなんどもなぞっていたのだが、これに関してはほぼ全編寝てしまった。
『レディ・プレイヤー1』
前提として、バーチャル世界よりも現実世界が優越するという結末の映画はクソなので、これもそれが当てはまる。IMAX3Dで鑑賞。
『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』
今年2回以上観た映画はこれだけかもしれない。バーフバリに次ぐ。ソーがワカンダに降臨するシーンで興奮に拳を握りしめるのは全人類共通だろう。最高。
『名探偵コナン ゼロの執行人』
はいはい。アクションがすごいというか、スーパーマンのようなことをやり始めている。
『ロブスター』
発想は面白いけどそれだけ感はある。結婚できない男女が動物に変身させられる話。長く感じた。アップリンクで鑑賞。
『ビガイルド 欲望のめざめ』
うーん。エル・ファニングが可愛かった。そのぐらいかな。
『タクシー運転手』
韓国民主化運動の闇を描く政治的意欲作でありながら、ドラマ性も高い。もちろんフィクションを織り交ぜているが、大筋は実話というのもすごい。おそらく人生で初めて劇場で観た韓国映画。
小松菜奈は僕好きなんですよ。蓋し適役。そしておじさんの立ち居振る舞いも素敵。あんなおじさんになれたらよい。
『デッドプール2』
X-MENユニバースを知らないとついてけない感じになっていたので、夏休みに主要作は見た。でも知らなくても面白かったな
『万引き家族』
血の繋がりのなさがかえって結束を強めることもある。日本映画を牽引する是枝和博。
あんま覚えてないけど真剣に考える映画でもない
『犬ヶ島』
日本を馬鹿にしたようなステレオタイプ、ホワイトウォッシュに腹が立ったというのが僕の立場です。
『ジュラシック・ワールド 炎の王国』
面白いことが約束されている。こんなに安心できる映画もない。見る前のワクワク感ではここ数年の1位。会社帰りの金曜夜にIMAX3Dで鑑賞。これが今年3位でもいいかもしれない。引きも最高。
マッチョなフェミニズム。実話ベース。勉強として。
『未来のミライ』
観てるときはけっこういいじゃんと思っていたが、周囲の感想を読んだりしているうちに反転した。普通の夏アニメとしてのクオリティも低い。細田守……
面白かった。劇場での観客の一体感。笑うところで笑う。はじめての池袋シネマ・ロサ。並んでた。
『ウインド・リバー』
ミステリー。胸糞案件からの陰惨な殺人、そして復讐。雪山という舞台装置もバッチリ。テイラーシェリダン脚本。はじめてのヒューマントラストシネマ渋谷。
『ミッション・インポッシブル フォールアウト』
すげー! 前作よりもわかりやすくて面白かったし。御年56歳。おいおい……
『オーシャンズ8』
評判微妙だけど俺は好きだったぞ。最後のどんでん返し、というか、7が8になるあたり、作戦のアフターがいい感じだった。
邦画では今年1感動した。見たあと磯丸水産で感動を噛み締めていた。橋の上で路上練習するシーンのまぶしさ。青春のきらめき。洋画ティーンムービーにありそう。吃音の困難を描いた映画ってほかになかなかないのでは。原作もとても好きなので広まってほしかったのだが……半券を紛失したためスクラップに残ってないのだが、心に残っている作品。
『銀魂2 掟は破るためにこそある』
伊東鴨太郎の小物感。コメディパートはいいんだけど、戦闘シーンは実写だとクソダサい
『アントマン&ザ・ワスプ』
期待してたほどではなかった。残念、というほどでもないけれど。次のアベンジャーズへの布石でしょうな。
『マガディーラ 勇者転生』
あんま記憶に残ってない。バーフバリのSSラージャマウリ監督。バーフバリのほうが圧倒的。
『響』
芥川と直木同時受賞で初版100万部か。いいねえ(参考:村上春樹『騎士団長殺し』上下巻各50万部スタート)
『ザ・プレデター』
序盤の地味なところは起きていて、終盤決戦で寝ていた。アホか。
『イコライザー2』
舐めてた相手が実は殺人マシーンでした映画。最後の波止場近くの戦いがよい
『寝ても覚めても』
主人公の身勝手さに腹が立つ男性視聴者は多いことだろう。雰囲気は嫌いじゃないが……久しぶりにテアトル新宿で邦画らしい邦画を見る。
ツッコミどころは多々あるが、劇場で見る映画としてはよくできている。当ブログでも駄文をしたためた。
ほぼ全編にわたって眠っていた。ハリウッド初のオールアジア系キャストらしいが、これはステレオタイプとの批判を受けなかったのだろうか。まあ寝てたのでなんともいえないか
『バッド・ジーニアス』
まさかのタイ映画。カンニングの手助けで金稼ぎする天才少女の話。面白かった。普通のシネコンにも広がってほしかった。
前半寝てた。気持ち悪い。舞城王太郎のような謎ロジック推理。評判いいけど全然好きじゃなかった。同監督の『アメリカン・スリープオーバー』は大好き。
こっちのセリフだわ。時間を返せと言いたくなるめんどくささ。なんの問題提起にもならん地方だるいね映画。サイタマノラッパーとかサウダーヂとかを見習って欲しい。
『ヴェノム』
意外と善玉じゃねーか映画。ラストバトルの、液状化したヴェノムとヴェノムがぐちょぐちょになりながら攻撃しあうシーンに瞠目した。ど根性ガエル。
『華氏119』
結局なにが言いたいのかわからない。トピックが散漫。これまでマイケル・ムーアは銃規制、国民皆保険などトピックを絞った映画が注目を浴びてきた。これは浴びない映画だったということだ。
ヨハン・ヨハンソン亡き後もあの、底に溜まった不安の沼を泡立たせるようなBGMは健在。どうしようもないギャングたちの底辺社会。そして復讐が始まる。前半寝てたけど楽しめた。前作のエミリー・ブラントという紅一点の代わりにおじさんが幼女を守る系のプロットに。
『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』
シリーズ未見だが、暇だったので見た。自分の好みとはコメディレベルが違うかなと感じた
一番盛り上がるライブエイドのシーンを冒頭に持ってくるという、編集的には完璧に正解なことをやっている。世代じゃないので無論クイーンの受容のされ方など知らないが感動した。109シネマズ川崎のレーザーIMAXで鑑賞。Apple Musicで繰り返し聴くようになる。
『へレディタリー 継承』
怖いというより、不気味さでドライブしてくる。理解不能な行動原理をもつ家族。そんで終盤、ここまで溜めてきたものを解放するぞと言わんばかりの怒涛の展開。あれ、背景の暗闇に何かいるぞ?
『来る』
貞子vs伽倻子以来、Jホラーというのは、一歩間違えればコメディになりかねない危うさが放つ、揺らめく灯火のような輝きのことをいうのだ、という理解が僕の中にあるが、本作はその類の輝きを放っている。
『恐怖の報酬(オリジナル完全版)』
見た人みんな言ってるけどマジでどうやって撮ったんだ。崖っぷち走行中にタイヤの下の岩が一部崩れ落ちていくところとか、狙いすましたようにアップで撮影しているのだが、下手したら死ぬぞこれ。狂気。
『アリー スター誕生』
人生楽しそうで羨ましいですねえ、などと斜に構えていたらわりと後半悲しい展開に。古典的名作のリメイク。ガガよりもブラッドリー・クーパーの方がセクシーだったという感想がありうる。
『銃』
すごくおもしろくはなかったんだが僕はこういうのが好きなんだと思う。モノクロ映画だが、今年の作品なので、グレースケールで綺麗に撮れている。まあでも僕はいい映画を観たなと思った。中村文則原作。
『止められるか俺たちを』
門脇麦が喫煙している映画は傑作というのが我々の共通了解であるが、例に漏れず良かった。若松孝二の映画は見たことない。おそらく小学生の時ぶりに、トイレで席を立つということをした。大晦日に鑑賞。
なんであれを観なかったんだ、という映画も結構ありますよね。『シェイプオブウォーター』とか『グレイテストショーマン』とか『プーと大人になった僕』とか……今年は鑑賞点数が減ったなと感じます。引っ越したのも大きいかもしれません。いや、反省ですね。来年はもっと手広く放埒に観ていきたいです。