緊急事態法案の件で言われるのが、国民の自由の権利を制限してまで行使してしまわないか、という点です。全体と個人、秩序と自由がトレードオフであることはどうしようもない事実なので、そこでいかにして妥協点を探るかということが問題になるわけです。
日本はその両極のどちらを、あるいはどちらに近い方を取るか。
去年の9月にバズった記事ですが、日本人は人助けが嫌いだそうです。
日本人は、実は「助け合い」が嫌いだった…国際比較で見る驚きの事実(坂本 治也) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)
イギリスのNPOであるCharities Aid Foundationが公表したWorld Giving Index 20181というレポートでは、寄付やボランティアの頻度を基に世界各国の「共助」レベルのランキングが示されている。調査対象となった世界144カ国の中で、日本の順位は128位である。先進国として最低ランクに位置する。
人のことは知らん、自分さえ良ければいい、それが日本人の実態だそうです。
どうやら日本は、全体の幸せよりも個人の幸せのほうを優先するようです。
ということは、たぶん、日本は「自由」寄りの政策を続けていくのでしょう。たとえば諸外国のように外出を禁じたり、お店に閉店を命じたり、それを無視した場合は罰則を作ったり、警察が無断に外出する人を見回りしたり、そういうことはしないのかもしれません。
つまりは国民の自由を尊重するということです。
ヨーロッパは都市の思想です。Cityの機能を維持するためにはトップダウンで自由を規制する。
日本は農村の思想です。個々の村はお上がなんと言おうと勝手に内輪のルールで運営されます。
しかしそれゆえ、政府は村を支援しない。自由を規制しない代わりに自己責任というわけです。
それがいいのかどうかはわかりません。しかし一つ言えることがあるとすれば、上記のような立場は、政治思想的には「リバタリアン」と呼ばれているということです。