2022年10月、富山に2泊3日してきた。国内で2泊するのって久しぶり。そうしないと回れないぐらい行きたい場所が多かった。
北陸新幹線で一路、金沢の手前まで、東京から約2時間。
駅のトイレにあった張り紙のイラストがキュートだった。富山駅オリジナルなのか?
外観はこんな感じ。
エントランスは吹き抜けになっていて、2階部分にはベンチや机があった。そこで高校生たちが、近所のマックで買ったハンバーガーを食べていた。
JRの駅舎のなかに、路面電車用のプラットフォームもある。
ただ、このあと街中をぶらぶらした感じでは、そんなに街じゅうを網のように走り回っている印象はなかった。
とりあえず、駅ナカのレストラン街で腹ごしらえ。白えびのかき揚げ丼。
軽くてサクサクしてて、でも海老の風味が出ていておいしかった。調べたらこのお店、東京駅にもあるらしい。新幹線で2時間かけて、出発駅にあるのと同じ店で食べたわけ。でもやっぱり地元で食べたほうがうまいんだろう。富山湾の幸・白えび。
食べた後は、駅前本屋がどんな感じなのかを視察。これは趣味と仕事を兼ねた遊びとして癖になってます。で、都内観光するために自転車をレンタル。
このあと行きたい場所へのアクセスを調べていたら、バスとか路面電車よりも、自転車の方が小回りが効いて機動力が高そうな気がした。それで、観光窓口みたいなところで借り方を聞いて、借りた。一人旅ならでは事前準備の無さ。行き当たりばったりだ。
このレンタル自転車は電動アシストがない。備え付けのカギも、ワイヤー(ガードレールや電柱に括り付けるタイプ)しかない。自転車を返却するポートも、有名観光地の前にしかない。
それでも、歩いて移動するよりははるかにラク。道幅は仙台のように広い。樹間を渡る風が気持ちよかった。
で、富山城に来る。
庭園をぶーらぶら…
写真でうまく撮れてなかったけど、趣のある池とか、小川のせせらぎとか、すこし入り組んだ小径の両側から木々の葉が垂れ下がってトンネルみたいになってるところとか、いかにも庭園っぽい景色もあってたいへん心地よかった。
砂利の広場もあって、そこで子どもたちがボール蹴りをしていて遊んでいた。明治時代に富山を発展させた人の銅像とかも建っていた。
花が燃えるように咲いていた。
富山城も見学した。中は郷土資料館になっていた(城跡はだいたいそうだ)。展示の内容はぜんぶ忘れた。だが、一つだけ印象に残っているのが、石碑に残された、ある短歌だ。戦国時代に富山を治めていた武将・佐々成政の歌。
・何事も かはりはてたる 世の中を 知らでや雪の 白く降るらむ - 名歌鑑賞
いい歌だと思いませんか。
クスリとガラスの都
自転車で南下し、富山市ガラス美術館へ。富山はガラスの街らしい。江戸時代に、薬を家庭に置いて使った分だけお金を請求する「置き薬」を始めたのが富山だ。新しいビジネスモデルを開発したイカれたドラッグディーラーがいたわけだ。で、薬といえば瓶。というわけで富山には瓶を生産する職人がたくさんいて、その流れで「ガラスの街」なのだと。
この建物は、そういう時代背景を加味して隈研吾が設計したのだと。
美術館だけど、図書館も一体になった建物。最上階の6階まで吹き抜けになっている。
こう、1フロアずつ何度が回転させてズレていくような形に。
なんかトゲトゲしているな。木の温かみというよりは、ギラついてる感じ。勝ちに行く建築(?)
美術館の展示室へ。ぜんぶ素材はガラス。
熱するとまるで粘土のようにぐにゃりと形を曲げるのに、冷やすとパリンと割れやすい脆い存在になるというのがガラスの面白いところだと思う。その特性を男性性と結びつけて制作された作品もあった。
常設展も含めてかなりボリュームがあった。疲れたので途中、図書館で休憩したり。図書館も間接照明があったりして綺麗でした。本棚も、細身でオシャレ(写真は撮ってない)。
ロードサイドみそラーメンと、まさかのトラブル発生
建物を出たら、もうこんな時間だった。
こういう、何気ない道の写真を撮っておくことが、後に旅路を思い出す時に大事になる。東京にもありそうな構図。でも、あそこにしかなかった空気感。その原因は雲の色合いなのかもしれないし、遠くに見える山の稜線なのかもしれないが、とにかく違った。違和感を保存すること。
ラーメン食べたいなと思い、富山で人気のラーメン屋に自転車で行った。食べログの富山県ラーメンランキング3位。
ロードサイドの大きな焼き肉屋とかすき家とか地元の中華料理屋とか、2000年代前半まで繁盛していただろうと思しきビデオ屋(GEOでも TSUTAYAでもなく)などの哀愁を通り越して、市の中心部から自転車で15分ぐらいかけてたどり着いた。
みそラーメン。生姜も効いてて美味かった。
隣には1人でビールと一緒にラーメンをすするおばあちゃんとか(近所に住んでるのか?)、彼氏が学生時代の武勇伝を語るのを彼女が「へー、ふーんそうなんだ」と明るく頷いて聞いてるカップルとかがいた。人生があった。
市内に戻る。
予約していた宿。
和風の、新しめのホテル。ここでトラブル発生。全国旅行支援キャンペーン適用プランで予約したのだが、ワクチンの接種証明が必要ということを知らず、用意してなかった。テレビとかで大々的に宣伝されてるプランなのに全然調べず準備してなかった。世間知らずすぎて恥ずかしかった。
フロントの人に、「駅前で抗原検査をやっているのでそこで検査を受けてきてください」と言われ、ひた走る。だがもう検査室は閉まっていた。そもそも飛び込みで受けられるものではなく、ウェブ予約が必要らしかった。ホテルに電話して、「すみませんが旅行支援適用しないプランでご案内いただくことってできますか…?」と懇願。ウェブ予約で支払った額と通常プランとの差額を支払って、泊まらせてもらうことになった。
荷物を下ろす。
大変だった。自転車であちこち行った。荷物も、撮影用の三脚を担いでいてたいへん疲れた。明日も宿に泊まる。旅行支援プランで予約している。ヤバい。抗原検査受けないと。明日朝イチの予約をしよう。スマホをポチポチしながら、眠りについたーー。
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