気のおけない友達や同級生なら別ですが、あまり親しくない人や知り合って日が浅い人、上司、先輩などに向けて、夜中にLINE(とメール)をしてはいけません。僕はそんな当たり前のことにまったく気づいていませんでした。
詳細を語ることは避けますが、同級生に加えて就活中の先輩が入っているグループLINEに、22時過ぎにLINEを飛ばしたところ、先輩から間接的に「常識を欠いている」と言われました。
まったくそのとおりだと思いました。
なぜそんなことに気づかなかったのかなと思いました。やはり経験が浅いのでしょうね、人付き合いの経験が。これは僕はずっと昔からどうしようもない、と半ばあきらめていることでもあります。でもこれから社会に出ていくって時に、そんな言い訳をしているわけにもいかないですよね……とまあ、このように内省的な方向に議論を進めるのは今回の目的ではありません。
先輩からの指摘を受け、ひとしきり自分の愚かさを責めた後、ネットで深夜の連絡についてどういう考え方があるのかを調べてみました。「パソコンのメールなら問題ない」「LINEもマナーモードにしているから問題ない」「しかしさすがに電話はだめ」などの寛容な意見もいくつかありました。しかし他方、メールも駄目だし無論LINEも駄目、深夜だけでなく早朝も駄目、という人もいました。
ここで「まてまて、明確な線引が必要だ。具体的には朝9時から夜9時までならいいということか」と定義を作りたいというドライブがかかるかもしれません。
しかしそういうことでもないなと僕は思いました。なぜなら、
(1)万人に共通する連絡可能時間帯の設定などできないから。
(2)具体的な時刻で区切ると、連絡する際に相手に対する気遣いを欠いてしまうから(例えば朝9時なら連絡しても大丈夫という定義は、前日に合同飲み会があったという事実から導き出される思いやりを無視させる)。
結論から言えば、夜中(だと思われる時間帯)にLINEをするのは、相手に迷惑をかける可能性があるということです。これは論理的にどうこう、という話ではありません。もちろん夜中にLINE全然ウェルカムという人もいるでしょう。しかし問題なのは、そうではない人もいるという厳然たる事実です。それのみが問題なのです。
したがって僕たちはそういう人もいるということをLINEを飛ばす前に考えなければなりません。
もちろん緊急の場合は別でしょう。しかしLINEで行う連絡というのは大抵、翌日の朝でも問題ないでしょう。だから、別にいいんですよ。夜中に連絡したいと思っても、翌朝すれば。
繰り返しますが、これは論理的に考えて夜中にLINEをしてはいけないとかではなく、単に夜中にLINEが来ると携帯が鳴ってうるさくて嫌だ、という人がいるので夜中にLINEをするのはやめといた方がいい、というだけの話です。
「いやLINEでバイブ設定とか馬鹿かよ」とかいう反論は有効ではありません。問題は自分ではなく相手がどう考えているのか、それだけなのです。
「相手に合わせるって言ったって、限度というものがあるだろう」「人間は無限の他者と一致することはできない」そういうラディカルな主張もできます。しかし、夜中にLINEをするのは避けて翌朝したほうがいい、たったそれだけですよ? それぐらいの気遣い、マナーは別に大した負担ではないのではないでしょうか。
長々と書きましたが、僕は僕を叱ってくれた先輩に感謝しています。もし指摘されなかったら、こんな一般常識のマナーも知らずに大人になっていったことでしょう。
何よりも感じたことは、「論理的にやってはいけない」ことよりも「とにかくやってはいけない!」ことの方が、禁止的というか抑圧的というか、とにかく「これはやってはいけないんだな……」と思う、ということでした。これはある意味で人間は論理よりも感情の方が優越する局面が実は結構あるということを示す事例なのかなと思いました。