研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

TOKYOとNYC(マンハッタン)の夜景を比べてみる

高層ビルに点いている赤い光が好きだ。

 

ということで西新宿にある都庁の展望台に行ってきました。物心ついたときから新宿に住んでいたのですが、じつは展望台には一度しか上ったことがありませんでした。その一度とは小学生時代の社会科見学です。もちろん真昼間。しかしいまやぼくも大人なので、夜の22時過ぎに登頂してきました。いちど9時過ぎにも行ってみたのですが、エレベーター前に長蛇の列ができていたため近くのドトールで時間をつぶし再訪しました。

 

一応説明しておくと、都庁には北展望台と南展望台の2つがあります。しかし人々はみな北展望台のエレベーターに並んでいました。南展望台への入り口は付近には見当たらなかったのですが、まあ、別に見える景色は大して変わらないと思うので、北のエレベーターに乗りました。エレベーター搭乗時には簡単な手荷物検査が行われるのですが、ぼくは両手を上げて紀伊国屋書店の手提げ袋しか持っていないことを示したところ係員にパスされた。

 

45階に到着すると、意外にも人で賑わっていました。土産物屋やレストランなんかもある。

 

これは西新宿方面です。写真が下手なのが悔やまれる。

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ちなみに撮影はiPhoneで行っています。以後の写真もすべてアドビの無料アプリ「LightLoom」で撮影し、基本的にはオート機能でレタッチしただけのものです。

 

画像なので伝わりませんが、赤い航空障害灯が悩ましげに点滅しています。すばらしい。僕は五反田に引っ越してからこの赤い光に飢えていたので、こんだけいっぱい光っているのを見るとよだれがでそうでした。ちなみに赤い航空障害灯を一番近くで見ることのできる新宿スポットは、南口のサザンテラスだと思っています(隣接してるビルに灯ってる)。

 

これは中野方面です。右上の窓写りがひどい。

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画面中央右側の2つの光を有する建物は、中野坂上にあるビルのような気がします。ちゃんと確認してないけど。この2つの光は展望台から見える景色のなかでも一際力強く明滅していました。

 

これは初台とかそっちの方ですかね。

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左手に見えます3段の建物が新宿パークタワーです。都庁と同じく丹下健三の設計です。

 

以上の眺めは展望台の西側で展開されています。で、東側には窓が2枚だけ設置されています。北展望台の位置関係上そうならざるを得ないのでしょう。恐らく南展望台は東側の眺めが充実しているのではないでしょうか。

 

というわけで最後の眺望です。

 

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ノイズがひどいですね。

右側に見えます青白く光っているのが代々木にあるドコモタワー、そのさらに右側に見えるのが東京タワーです。

左端に微かに見える棒がスカイツリーです。

 

撮影が下手ということもあり全く伝わらないのですが、赤い航空障害灯が無数に確認できました。それはもうすごい数です。先ほど中野方面の景色を撮影している際、となりにいた男女が、女「すごいですね……王蟲の群れみたい」男「ほんとですね。怒らせたら怖い」女「え、このネタ伝わるんですね。伝わるとは思わなかった」男「伝わりますよ。僕ラピュタ派ですけど(笑)」と話していたが、こっちはもう王蟲の群れというか、巣というか、王国というか。それはもうとんでもない数明滅しているわけです。

少し分かりやすくするため、素人なりにレタッチしてみました。

 

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むしろより分かりにくくなった感もあるのですが、とにかく夥しい数の赤い航空障害灯が全体に広がっているんです。左側はおそらく官公庁など、中央は丸の内、右側は六本木などの光だと思います。全然見えませんけど……

 

 

と、見ていて思ったのですが、さすがに赤い光多すぎないかと。というのも、展望台で夜景といえばぼくは昨年ニューヨークに行きエンパイアステートビルとロックフェラーセンターの両方で夜景を見たのですが、まったく違う印象だったからです。

 

ロックフェラーセンターの頂上、通称トップオブザロックから撮影した写真です。

 

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1年前は使用機器はiPhone5Sでした。ライトルームも使っておらず、標準装備のカメラアプリで撮影しました。なお、ブログ掲載にあたりライトルームでオートレタッチしました。

赤いツノのビルは4タイムズスクエア、通称コンデナストビルで、緑色のツノのビルはバンクオブアメリカだったような気がします。コンデナストビルの左の光っているビルは分かりません。

 

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これはたしかイーストリバー方面だったような気がします。

 

この青いのはエンパイアステートビルですね。こう比べるとドコモタワーはこれを模倣したのだなということがわかりますね。

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と急速に回顧モードに回収されつつあるのですが、ぼくがいいたいのは、このマンハッタンの夜景に赤い航空障害灯はあまり見なかった、ということです。こうして写真を見ても、画質が荒いせいもあるとは思いますが、赤い光はほとんど確認できません。

日本の航空法では、一定の高さを超える建造物には航空障害灯を設置する義務が定められています。

アメリカの航空法は知りませんが、高さという点では明らかにマンハッタンの超高層ビルの方が日本の高層ビルよりも高いはずです。にもかかわらず航空障害灯のような明りは設置されていません。飛行機のオペレーションに問題はないのでしょうか。

 

それは追々調べてみますが、いずれにせよ見た目的な観点から、航空障害灯の有無による夜景の違いは興味深いです。ぼくは新海誠が「秒速」や「言の葉の庭」で描いた西新宿の航空障害灯に対するフェティシズムに深く賛同するものでありますが、マンハッタンの夜景にもとても感動したのをよく覚えています。あちらはどちらかというとオレンジ色の光が多かったような。

しかし東京の夜景の美しさとは少し違う。東京は、ビルの明りを汚すように赤い航空障害灯が病的なまでに無数に明滅しているのが倒錯的な美しさを作りだしているんですが、マンハッタンは周知の通りまず街路が碁盤の目のように編まれています。それゆえビルの光も比較的整然としているんですね。上の2枚目の、イーストリバー方面の写真をみるとわかりやすいかもしれません。

 

それは東京の無秩序な光源の集合体――戦後高度経済成長と再開発を経て乱立した高層ビル群を一色で強引にまとめ上げる赤い航空障害灯――の美しさと全然違う、対極なものなのですが、それはそれですごくきれいだし胸を打たれるわけです。昨年3000円ぐらいのチケットを買って夜景を見たときの感動は全然言葉にできなかったのですが、あれから1年経ち東京都庁から東京の夜景を見た今、NYCと東京という2つの都市を対比することで、なにか言語化のとっかかりを手にしたような高揚感を覚えています。

 

 

【おまけ】

五反田の夜景。

 

大崎方面のタワマン。目黒川に沿ってたくさんそびえたっているのですが、これは大崎方面の橋から五反田を向いて撮った写真です。

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画面中央に航空障害灯が2つぼんやりと見えますが、これはいま何かの建物を建設中のクレーンに灯った光です。何の建物を作っているのか本当にわかりません。

 

 

これはツタヤがある辺りの橋から撮った写真です。真ん中に山手線五反田駅のホームが見えます。

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