100年前の1919年1月16日(イクイクヒーローと覚えよう)、アメリカで禁酒法が批准された。
公的に禁止することによって闇ルートでの流通を加速させた悪魔の法だ。
昨日誕生日で24歳になり、これまで自分が23歳として生きていたという事実に気づいた。
まったく実感がない。23歳とは、13歳の中学生の10年後であり、18歳の高校生の5年後であり、30歳の大人の7年前である。
18歳の俺からすると23歳とは、そこそこの社会経験を積み、世渡りを身につけた、あるていどの大人を指していた。けれどもいまや、そんな気はまったくしていない。今の僕は子供も子供、童(わらべ)も童である。
いずれにせよ僕は23歳であった。
そんで24歳になった。
なんにもねえ1年だったな。こうして人生は加速していくんだ。ああ、高校時代は良かったな、大学時代は良かったな、新入社員時代は良かったな……と、現在が急速に過去へと遠ざかっていく。んでそういう過去の思い出ほど美化される。
現在(いま)を加速させていけ。
後には美しいものだけが残る。
……いやいやいや、んなわけねーだろ。落ち着け。こんな、毎日朝から仕事して自分でも何やってるかわかんないのに忙殺されてそんで22時過ぎに家に帰る、そんな誕生日ねーだろ。母親と親戚のおばさんからラインが来ただけだわ。しかも親戚のおばさんのラインは1日遅れだったからな。でも「いつでも君の味方です」っていうスタンプがきて感動したわ。ホントに? ホントにいつでも俺の味方なの? って。信じられん。俺にそんな人がいるのかい?
とりあえず酒を飲んで寝よう。明日を乗り切れば土日だ。ストロングゼロって知ってる? 飲むと明日に行くことができる”””タイムマシン"””なんだぜ。え? 酒? 違う違う。酒は連邦政府に禁じられてるだろ? コイツがあれば間違いなく明日へ””飛べ””る。俺たちの””””ルート””””でだけ出回ってるんだぜ。…………いやいや、落ち着け。明日もやることいっぱいだから。仕事中心の生活設計。ワークセントリズム!(仕事中心主義)
五反田駅に降りたらアコースティックギターをかき鳴らす女が植え込みに腰掛けていた。なんだそりゃ。可愛いので首だけそっちを向きながら歩き去った。まるで人間には見えない何かを見つめ続ける不気味なフクロウのように。
(このエントリは素面の状況で山手線新橋ー五反田間て執筆されました)