研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

【絶景】函館山で世界三大夜景を望む 北海道旅行⑤札幌→函館編

前回、網走から「熊と衝突する列車」で6時間かけて札幌にやってきた。北海道周遊の5日目となる今回は、札幌から函館に移動。函館山で見た夜景を紹介する。夏休み最終夜となり寂しい気持ちもあったが、この景色がそんな憂鬱を吹き飛ばしてくれた。

 

朝、札幌の「ビジネスインノルテ」で目覚める。

 

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めちゃくちゃ簡素な朝ごはんをセルフで食べ、タバコを吸ったり缶コーヒーを飲んだりして気持ちを落ち着ける。館内のWi-Fiが、全然つながらん……これからオンラインミーティングなのだが。仕方がないのでテザリングで急場をしのいだ。ミーティングはただ話を聞いてるだけだった。これ、俺参加する必要あった?

 

レイトチェックアウト。

 

中島公園、すすきのを通り、札幌駅まで歩く。一本道だ。

 

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途中で流れていた川。小雨が降っていた


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すすきの。メディアで見る光景。夜に散策したかったのだが、時間がなくてかなわなかった


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大通りからさっぽろテレビ塔方面を見る。この辺もじっくり歩きたかったが、時間がなかった


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赤れんがの北海道庁。厳か

 

札幌駅到着。それにしても札幌は人がたくさんいる。路面電車もたくさん通っている。こりゃ都会だな。いままで道東にいたので、少し息苦しく感じる一方、都会的な暮らしにワクワクする。上京するというのはこういう感覚なのかもしれない。

 

函館行きのきっぷを購入した。ひがし北海道フリーきっぷではカバーしていない路線だ。

 

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「トクだ値」と書いてあるが、当日乗車なので適用されていない(じゃあなぜ印字されている?)

 

札幌駅もいろいろある。書店もチェックしておきたいが、そういう時間はなさそうだ。とりあえずスープカレーを食べたい。エキナカの人気店っぽいところに行くも、数名並んでいた。ちょっと待てば解消されるかなと思ってフロアを一周して戻ってきたら長蛇の列に変貌していてあきらめる。

 

もう一つ、エキナカにビルがあり、そちらのレストランフロアに行く。並びが1名程度のスープカレー屋を発見し、そこに入った。豚の角煮のスープカレー。

 

あのね、おいしかった。東京でも何度かスープカレーを食べたことがあるが、毎回微妙な感想をもっていた。しかしこれはうまい。完全なスープではなく、カレーっぽいテクスチャを残していて食べ応えがある。それがいい。僕はもうやんカレーみたいな「野菜とスパイスだけで作りました!」みたいなサラサラ系よりも、小麦粉とバターを使った欧風カレーのほうが好みなのだが、これは「スープに全振り」してる感じが少なくて助かった。

 

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どれもうまそう。キーマカレーに目移りする


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豚の角煮のスープカレー。めちゃくちゃぐつぐつ言いながら提供された

 

で、食べたばかりなのに駅弁を買い(地域共通クーポン消費のため)、特急北斗に乗る。喫煙所を探して右往左往していたが、普通にホーム上にあった。新幹線みたいだな。


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ブルーでかっこいい

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つい買ってしまったけど、ふつうのクラシックのほうがうまいと思った


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札幌駅の長年の名物らしい「海鮮えぞ賞味」。北海道型の昆布。こういうのがあるとなんかおいしくなさそうに見える

 

函館まで3時間。もうあまり驚かなくなったが、しかし冷静に考えて、同県内の移動に特急で3時間かかるってすごいことだわ。移動が面倒くさすぎる。疲れた。

 

心を溶かす

函館に煌めく光

函館に到着。寒い……なんで南下してるのにより寒く感じるんだろう。北海道の南。本州との連絡港。北海道周遊の旅、最後の街。

 

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ホテルは駅の目の前を取ってるが、チェックインの前にやることがある。函館山に上るのだ。時刻は17時過ぎ。早くしないと真っ暗になってしまう。いや、もうだいぶ暗いか。でも早い方がいい。そのために札幌で何もせずに急いできたんだから。

 

バスに乗った。


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山に差し掛かると車内の電気がパっと消えて、外の景色が見えるようになった。配慮がすごい。右側に座っていたので、車窓からも景色がよく見えた。

 

ドキドキしながら登るが、僕は若干の不安も感じていた。北海道旅行最終日。仕事の懸案事項にも悩まされ、ここまできた。もし期待外れの夜景だったらどうしよう。ここ数年、住民が減り、街の明かりも少なくなったと聞く。実際どうなのだろう。首から下げたコンデジを握るが、手汗ですべる。こんなに寒いのに……

 

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コロナの前はもっと人がいたんだろう。だから今は見やすいかもしれない。みんな写真を撮っている

 

恐る恐る欄干から下界を覗いた。

 

ああ、こんなにきれいだったなんて。そうか、こりゃあ間違いなく世界三大夜景だよ。なんて美しい地形。計算されたかのような角度のくびれ。そして抑制的な街の明かり。香港のヴィクトリア山から見える景色とは全くちがう。かつて本州と北海道を結ぶ港として栄え、そして航空業界の興隆によって鉄道路線も撤退が相次いだ街。しかし、日本人からは札幌とはまた違う角度から憧憬の視線を注がれている街。なぜ人々を、そして海外からの観光客を引き付けるのか。かつてここに旧幕府軍の拠点をつくろうとした土方歳三がこの景色を見たらどう思うだろうか。なにを言っているのか自分でもわからないが、とにかくこんなに美しい景色が、北海道にあるということを僕は知った。

 

昨日から抱えていた心のわだかまりが優しく溶けていった。

 

 


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明日、函館→東京編。最終日。

 

【支出】

天馬 札幌ステラプレイス店 角煮スープカレー 1150円
駅弁「海鮮えぞちらし」1080円→地域共通クーポン1000円分使用で、支払い80円
サッポロクラシックとお茶 401円
札幌→函館(特急北斗14号) 6590円
函館山へのバス往復 800円

 

計9021円