研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

『進撃の巨人』最終回ネタバレ感想 「第3の道」選べなかったミカサとアルミン

ついに終わりました。

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2009年9月スタート、21年4月完結。約11年間の連載に幕を下ろしました。連載開始は中3のときでした。「すごい漫画が始まった」と話題になっていたのを覚えています。コミックスはたしか1,2巻同時発売だったような。購入して、たしかにすごい漫画だなと思っていました。高校生になり、アニメが放送され、「紅蓮の弓矢」がものすごいヒットソングになり(といってもオタク界隈だけのことかもしれません)、どんどん話題になっていきました。

のち、関係者から話を聞くと、アニメが放送されていた時はコミックスの初版が●●部を越えていたとかで、ちょっと信じられないレベルで売れていたようです。

大学を卒業して社会人になった2018年ごろ、作中の世界観が一気に広がりはじめました。マーレ、9つの巨人、パラディ島……ものすごく興奮したのを覚えています。もうその頃は「暇があればマンガ喫茶で続きを読む」ぐらいの熱量しかなく、コミックスも集めていませんでしたが、これはすごいと思いました。そして21年4月の完結。これは読まねばならんと思い、読んでいなかった30~33巻をキンドルで購入し、マガジンの公式サイト「マガポケ」でその続きを課金しました。紙→漫画喫茶→キンドル→マガポケといろんな形で読んできました。

 

以下、ネタバレを含んだ感想です。

 

本作では2つのルートが示されます。

①エルディア人の安楽死。ジークが計画。始祖ユミルの呪い(9つの巨人は共食いして継承されなければならない)を解くために、始祖の力を使い、エルディア人は子どもを産めなくする。

②「地ならし」で世界を蹂躙する。エレンの企て。これによってマーレによって滅ぼされようとしていたエルディア人は生き延びることができる。ジークの安楽死計画とは真逆で、エルディア人以外のすべてを「駆逐してやる 一匹残らず」というわけですね。

 

で、「どっちもアカンやろ」というのがミカサやアルミンたち。とはいえ、両者を調停する「第3の道」を見つけられたわけではない。エルディア人とマーレ人両方を救う方法が欲しいとは言っているけど、とりあえず「地ならし」を始めてしまったエレンと話し合いをしようというのが、たしか31巻あたりでした。ただエレンは全然話し合いに応じないので、「しかたない、エレンを殺すしかない」となるわけです。

 

うーん、なんか、ちょっとそれでいいの? って感じがしました。たしかにそはリアリティのある選択なのかもしれないけど、これは少年漫画でしょ。もっとカッコいい解決方法があるべきだと思うのだが。妥協すんなよ、と。なんとかして第3の道を提示してくれよ。

 

それから佳境に入ったところから、エレンの考えが全然描写されないのも気になりました。ミカサ&アルミンが「虐殺はよくない」とエレンを止めに行くのはとてもよくわかる。正しいと思う。ところでエレンはなんで「地ならし」したいんだっけ? 読んでるうちによくわからなくなりました。世界をリセットして、それで自由になれるんだ……みたいなこといってたけどそれってすごい抽象的な話ですよね。もう少し具体的な動機が説明されればいいんですが、それもない。

じゃあもしかしたらエレンの本心は別にあるのかもしれない。読者に隠すように意図的に描写されていないのかもしれない。最終回でなにか、エレンが自分を犠牲にしてすべてを救うみたいな展開になるのかもしれない(コードギアスの「ゼロ・レクイエム」みたいな)と思ってたけど、そうでもなかった。普通にエレンを倒して終わりだった。

 

なんかフラグ立ちきってないままエンディングを迎えてしまったようなモヤモヤがあるんですよ。まだやれることあったんじゃね? と。「地ならし」が始まっても、犠牲を最小限に抑えたまま、エレンを止める策はなかったのかと。

それからさっきも言ったことですが、エレン側の主張がよくわからない感じになってる。「狂信者を止めるゲーム」になっていて、信念と信念のぶつかりあいという感じがなかった。だから終盤、アクションがどのぐらいカッコイイか、というところが主眼になってしまった。もちろんバトル漫画なのだからそれでいい。けれども、もっと厚みのあるドラマになる可能性が、「進撃」にはあったはず。

 

まあそんな感じです。いろいろ言ったけど、すごい漫画だった。子どもの時から読んできた漫画だから思い入れもある。しかし終わりが微妙だと作品全体の評価も変わってくる。もうすこしカッコイイ終わり方はなかったのかな、とモヤモヤする週末でした。

 

以下、追記で思ったことです。


・歴代の9つの巨人が勢ぞろいするのはけっこうカッコよかった。終盤で中ボスとの連続バトルというゲーム的な展開。とくに戦槌の巨人が弓矢を使うのはなるほどなーって思った。家庭教師ヒットマンリボーンで初代~10代目ボンゴレのそれぞれが違う戦い方をしてたのを思い出した。

 

・ファルコが顎の巨人を継承して、しかも羽が生えて空を飛ぶ。ジークの脊髄液を飲んだから獣の特徴が発現したのだと。そんな都合いい話あるか? しかし「空飛ぶ巨人」の登場は、実は期待していた。確か27巻ぐらいでマーレ人が「巨人は空を飛べん、我々の飛行船で爆撃すれば勝てる」みたいなことを言うシーンがあった。なので、空飛ぶ巨人の登場を予告しているのかなと思っていた。しかしそういう隔世遺伝みたいな感じで羽が生えるのね……

 

・ミカサがエレンを殺しに行くとき、「エレンは口の中にいる!」とあたりをつけて、巨人の前歯を切って(そんな簡単に切れんのか?)口内に侵入した。そこには背骨の先っちょに頭部がついた、攻殻機動隊とかBLAME!とかに出てくるアンドロイドみたいな気持ち悪い状態のエレンがいる。なんでミカサは口のなかにいる、とわかったのだろう。うなじではなく。不思議だった。

 

・妄想。始祖の力を手に入れれば、全巨人、というかユミルの民を操作することができる。巨人が争って取っ組み合いの戦いをしているところに、始祖の巨人が降り立ち、ビビィッ!と光を放つ。すると巨人たちは始祖の方向を向いてひざまずき、首を垂れる……というシーンがあったらいいな♪という話。