研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

【百段階段】美意識の「最高到達点」を見学@目黒雅叙園

目黒駅から険しい下り坂(行人坂)を降りたところに雅叙園というホテルがあります。1928年に創業した歴史ある料亭だそうです。そこにある東京都有形指定文化財の「百段階段」を見てきました。"その装飾の美しさから見ても、伝統的な美意識の最高到達点を示すものとされています。"とのこと。 前から気になってたので、平日の午前に行ってきました。

東京都指定有形文化財「百段階段」 - ホテル雅叙園東京

バスターミナルみたいに大きなロータリーがあるんですが、真ん中に植ってる木がちょうど紅葉していました。

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エレベーターの装飾がまずすごい。なんかキラキラした素材で塗られていて魅惑的な光を放っています。のち、中の展示でどういう技法なのか紹介されています。
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この料亭の成り立ちがパネル展示されていて、そのあと実際の屋敷に案内されるという流れ。石川県出身の人が上京して銭湯の丁稚奉公をはじめて、そこから料亭を起業したらしいです。
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この百段階段は、先ほど言った行人坂に建つ4つの建物を連結するために増設されたという背景があります。坂を行き来するための階段なんですね。

ウオー長い
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天井に絵が描かれたりしています。
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日本式なので靴を脱いで歩くんですが、カーペットなどは敷かれていないのでちょっと足の裏が痛くなります。ゆっくり登りましょう。

最初の間では、エレベーターで見た絵の技法の紹介がありました。螺鈿(らでん)細工といつて、貝殻と漆を材料にするそうです。へー。

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次の間がすごかったです。パッと見ですごいゴージャスだなとわかる。
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天井も、壁も…
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入口を振り返ってもこうですからね。
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柱もものすごい凝った彫刻が彫られています。絵じゃなくて立体。どんだけ金かけてんのかと。
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天井も綺麗…
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なぜこんなに絢爛豪華なのか。そもそもこの雅叙園のコンセプトは、「庶民が行ける料亭」。普段そんなに芸術とかに触れてない人でも、 パッと見でリッチな気分になれるような仕立てにしてあげたい。そんな思いでこういう内装にしたそうです。
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いいじゃないですか。でもこういう試みは、当時は成金趣味だとか批判されたりしたんじゃないですかね、多分。でも時が経てばそれも評価されるわけです。

上に行くと景色のいい間もあります。
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目黒のラブホ? が遠くに見えました。
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風情のある廊下だこと。

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頂上まで登ったんですが、どうやら百段ではないようです。ネタバレになりますかね
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さすが最上階という感じの風格と広さ。
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外は緑が生い茂っていました。折しも小雨が静かに降り注いでいました。樹間を渡る冷風が時折、濡れた葉々を揺らしていました。

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以上が百段階段の紹介です。ただ雅叙園はこれだけじゃありません。ホテルとして後年作られたメインの建物があるんですが、これがマジですごい。展示を見る前にぶらぶら歩いたんですが、こんなの無料で見れてええんか?と思ったので紹介します。

ホテルのエントランスの目の前日こういう中庭が見えます。池! そして橋。

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これ中に入れないのかな? とガラスに張り付いていたら入口を発見。

こんなふうに枯山水みたいになっています。奥には切り出した岩肌を流れる滝。
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右を向くとこんなふうなアプローチが。奥左手はAmazonジャパンとかがテナントとして入っているオフィスビルにつながっているらしいです(うろ覚え)。
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で、ホテル本体のほうへ向かうのですが、その道がやばい。道の両側を川が流れています。
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屋内で川…?

「龍が如く」に出てくる「賽の河原」を思い出しました。

本館っぽいところに着きます。

で、デケェ〜!

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チャンギ国際空港か?(行ったことない)

やはり屋内を川が流れています。

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高級そうなアフタヌーンティーのカフェとか、中華料理屋とかがあるんですが、全部オープンエアー席で、この高い天井を味わい尽くせるようになっています。まさに空港のレストランのよう。品の良さそうな紳士淑女がお昼ご飯を召し上がっていました。

2階に上がってみます。
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こういう装飾があるのが高級感を漂わせています。
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奥の方にある料亭が見えました。庭園…? 屋内にこんなのが…
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降りてみる。川。
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この料亭、入口からお店の建物まで50メートルぐらい庭園の中を歩くようになっています。すごい。この庭のメンテナンス費も料金に含まれているんだろうなという貧乏コスパ思考をしてしまいます。

で、こちら側にも中庭があるようなので出てみます。滝!
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横には怪しげな階段。行ってみます。
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おや…
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滝の裏側!すごい音が洞窟に響いています。
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正面から見るとこんな感じ。
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3、4歳ぐらいのお子さんを1人連れたお母さんが「すごいねー」って言いながら写真を撮っていて微笑ましくなりました。

すごかった…。こんなのタダで見られていいの? と何度も感動しました。まあ、ホテルを利用しない人がこれ見るためだけに来るのはあまり良くないのだと思いますが。でもアフタヌーンティーとかランチとかで行きたいと思いました。

あとトイレもすごかったです。入口の男女分岐エリアにも螺鈿細工の絵が。正面しか撮ってませんが、横の壁にも満開の花の絵が描いてありました。
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あと当然撮影はできなかったのですが、トイレの内部にも川が流れていたのには笑ってしまいました。マジかよ! で、川の上に赤い欄干の丸い橋が掛かっていて、それを渡ると広ーい個室トイレがあるわけです。絢爛豪華なお手洗いでした。